ソニーイメージングギャラリーは、初めての短編動画の展覧会「はじまりの残像」を2022年2月4日から開催する。
「はじまりの残像」展は、ソニーイメージングギャラリーが2021年8月に新設した「短編動画部門」の公募を通じて開催する初の映像作品展だ。立川清志楼さんと、長島勇太さん、garlandさん、李 和晋さんが出展する。
立川清志楼さんは、固定カメラで撮影した写真・映像に多重化・アニメーション化などの加工編集を行った実験映像「第一次三カ年計画 Selection remix」を展示。作品の舞台である動物園の動物に対し、立川さんは「多くの人は『可愛い』『でかっ』『臭い』などの単純な感覚的表現で動物を表す。言葉よりも感覚が優先する動物は、意識と感覚を駆使して鑑賞する実験映像に似ている」と語る。
長島勇太さんの作品「複眼 (8つの部分をつなげる)」は、一人一人の多様化が進み、それぞれが見ている世界も多様化していることに焦点を当てている。パラレルワールドのような並行して決して交じり合わない、人々の異なる視界を“複眼”の視覚で表現した。
garlandさんは、4Kの導入をきっかけに2016年ごろから映像作品の制作を始めた。その作品「Past Light」は、garlandさんが思い描く死生観を元に「彼岸」「此岸」「その合間」をテーマにした3部作から構成されている。その映像世界はあたかも「動くスティルフォト」のようである。
李 和晋さんは、家族写真が撮影された場所を探し求めて旅をしながら制作している「Saudade Project」より、2作品 (「伊豆」編、「新潟と韓国の龍仁」編) を出展。家族写真が撮影された場所を探し求めて旅をしながら制作された作品は、記憶だと自身が思っていたイメージが、本当の記憶だったのか、実は映像や写真を見返すことによる「追記された記憶」だったのかをしばしば見失うという、多くの人が体験したことがある映像がもたらす特性の一つを再認識させる。
作品は4台の4Kテレビにより展示される。クリエイターたちの個性溢れる映像作品に注目が集まる。
立川清志楼 / 長島勇太 / garland / 李 和晋 映像作品展「はじまりの残像」
会期 2022年2月4日 (金) 〜17日 (木)
会場 ソニーイメージングギャラリー
住所 東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6F
時間 11:00〜18:00
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ ソニーイメージングギャラリー (TEL 03-3571-7606)
〈文〉鬼沢幸江