一瞬だけ交わった“あいまいな関係”を切り取った 木原千裕写真展「いくつかある光の」

第一回ふげん社写真賞受賞記念として、木原千裕さんの写真展「いくつかある光の」が2022年2月11日から開催される。

木原千裕写真展「いくつかある光の」

■展示作品ギャラリー

 

本展は、2021年の第一回「ふげん社写真賞」でグランプリに選ばれた木原千裕さんの受賞記念展だ。グランプリ受賞作「いくつかある光の」から38点のプリントを展示する。この作品は宮城県の石巻に暮らす人を被写体にしたシリーズ。2017年冬から2019年春にかけて、自身が住まう福岡から4度だけ、その人のもとへ通って撮影したものである。

赤の他人でもなく友だちとも言えないあいまいな関係で撮影された写真は、人生における無数の出会いと別れの連続の中で、一瞬だけ交わった存在を肯定し、あるがままを受け入れることができるのか。木原さんは、コロナのパンデミックによって人と人との分断がさらに進む現在において、どこかで生きる誰かの人生を想像することこそが、豊かな世界、未来の希望へとつながっていくと語る。

第一回ふげん社写真賞受賞記念 木原千裕写真展「いくつかある光の」

日時 2022年2月11日 (金・祝) 〜3月6日 (日)
会場 コミュニケーションギャラリーふげん社
住所 東京都目黒区下目黒5-3-12
時間 12:00〜19:00 (土日は18:00まで)
休館日 月曜・2月23日 (水・祝)
入場料 無料
問い合わせ コミュニケーションギャラリーふげん社 (TEL 03-6264-3665)

ギャラリートーク

日時 2022年3月5日 (土) 14:00〜15:30
会場 コミュニケーションギャラリーふげん社
出演 木原千裕、飯沢耕太郎 (写真評論家)、町口覚 (造本家)
参加費 1,000円 (税込)
備考 オンライン配信あり (料金は会場観覧と同額)
申し込み WEBサイトより
https://fugensha.jp/events/220305talk/

 

 

木原千裕 (Chihiro Kihara)

1985年、福岡県生まれ。同志社大学社会学部教育文化学科卒業。塩竈フォトフェスティバル写真賞 特別賞 (2018年)、第23回写真「1_WALL」グランプリ (2021年)、第1回ふげん社写真賞グランプリ (2021年) 受賞。
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〈文〉鬼沢幸江