豊吉雅昭さんの写真展「MONOCLE VISION」が、2022年4月4日から開催される。
東京2020パラリンピック閉会式で名曲「What a Wonderful World」を弾いたピアニスト西川悟平さんのアルバム・ジャケット写真を撮影した豊吉雅昭さん。彼は、左目がほとんど見えない視界を写真で表現している写真家だ。
かつては緑内障の進行が止まらない日々に絶望したこともあったが、西川さんが難病を抱えながらも7本の指でピアノの演奏活動を再開したことを知り、引きこもりをやめ、カメラを携えて彼のコンサートに行くようになったという。再び写真を撮り始めた豊吉さんは、西川さんのように自身の病気を“ギフト”と思えるまでになった。
本展の作品は、1800年代末に流行したモノクル (片眼鏡) をヒントに制作された。多重露光と長時間露光を基本として複数枚の画像を重ね、まるでモノクルを掛けたように不明瞭な視界を表現したファインアートである。
豊吉さんにとって初個展となる本展では、これらの作品に加え、立ち直る契機を与えてくれた西川さんへの感謝を込め、彼のコンサートやリハーサル中に撮影したポートレート作品を別室で展示する。
豊吉雅昭写真展「MONOCLE VISION」
会期 2022年4月4日 (月) 〜16日 (土)
会場 Art Gallery M84
住所 東京都中央区銀座4-11-3 ウインド銀座ビル5F
時間 10:30~18:30 (最終日は17:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ Art Gallery M84 (TEL 03-3248-8454)
豊吉雅昭 (Masaaki Toyoyoshi)
1975年、埼玉県生まれ。1997年、東京国際大学商学部卒業後、日本システム技術株式会社に勤務。2002年、緑内障に罹患し退職。2010年、写真家・所幸則氏に師事。2016年より緑内障による視野欠損をテーマとした作品「MONOCLE VISION」に取り組んでいる。
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〈文〉鬼沢幸江