“顔”が見えない女性たちのポートレートが今を写す 村上賀子写真展「Known Unknown」

第23回 (2021年度) 三木淳賞を受賞した村上賀子さんの写真展「Known Unknown」が、2022年4月5日から開催される。

村上賀子写真展「Known Unknown」

 

“知らないということを知っている”という認知の状態を意味する「Known Unknown」。この言葉を冠した本作は、まるでカメラがないかのように、いつもどおりに自宅などで過ごす女性たちの様子を捉えたものだ。顔が見えず、その一方で、立ち居振る舞いや衣服、室内の装飾などを鮮明に写しているのが特徴だ。

「彼女たちが率直に自分自身を解釈しようとしたとき、それはどのように写真の中に現れ、写真はその一連の現象をどのように主導し、私たちの生に影響を与えるのかということについて考察している」と村上賀子さんはいう。コロナ禍におけるディスタンスとしての他者との関係性として読むこともできる“今を表現した優れたポートレート”と評された作品群である。

本展は第23回(2021年度)三木淳賞の受賞作品展として開催。

第23回 (2021年度) 三木淳賞 : 村上賀子写真展「Known Unknown」

会期 2022年4月5日 (火) 〜18日 (月)
会場 ニコンサロン
住所 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F ニコンプラザ東京内
時間 10:30~18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ ニコンサロン (TEL 0570-02-8080)

 

 

村上賀子 (Iwauko Murakami)

1986年、宮城県仙台市生まれ。2012年、武蔵野美術大学大学院造形研究科修了。コンセプチュアル・フォトのパイオニアとして知られる写真家・山崎博氏に師事。個人の記憶やアイデンティティーを社会的出来事や生活環境と相関的に捉えながら、可視と不可視のイメージを交錯させる写真作品・プロジェクトを展開。国内外にて作品制作・発表、執筆やウェブプロジェクト、イベントへの参加など、東京を拠点に活動中。
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〈文〉鬼沢幸江