幸せとは何か? その問いに向き合う 鶴巻育子写真展「幸せのアンチテーゼ」

鶴巻育子さんの写真展が、2022年4月5日より開催される。

鶴巻育子写真展「幸せのアンチテーゼ」

生きている実感と反抗心と

鶴巻育子さんが今回発表するのは、「幸せのアンチテーゼ」という作品だ。インパクトのあるタイトルの本作品は、2021年3月の個展「」に続く日常のスナップシリーズ第2弾である。鶴巻さんは次のように語る。

「前作『夢』は現実と知りながらも夢を見ているようなリアリティのない感覚の中で撮影したもので、タイトルは自分で付けたにも関わらず、どこか違和感がありました。そして、その後も感じるままに日常のスナップを撮り続けていくうちに、逆に自分が現実の世界に確かに生きているという実感が確信となっていった。と同時に、身の回りの出来事や人々に対する反抗心みたいなものがこの歳になって余計に増してきているような気もして……」

幸せとは何か。その問いと向き合ったとき、自分の写真に写っている些細な出来事から、現実を直視し肯定する自分自身に気づいたという。

「それが答えなのかもしれません」

同名の写真集にはモノクロの作品を中心とした約44点を収録した。写真展では、その中から約20点を展示する。

鶴巻育子写真展「幸せのアンチテーゼ」

会期 2022年4月5日 (火) ~17日 (日)
会場 Jam Photo Gallery
住所 東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階B号室
時間 12:00〜19:00 (日曜は17:00まで)
休館日 月曜
入場料 無料
問い合わせ Jam Photo Gallery (TEL 050-5438-2134)

 

 

鶴巻育子

鶴巻育子 (Ikuko Tsurumaki)

1972年、東京生まれ。写真家、JamPhoto Gallery主宰。広告写真、カメラ雑誌の執筆のほか、写真講師、CAPA月例フォトコンテストの審査員など幅広く活動。近年取り組んでいるシリーズの一つに、日常の一瞬を捉えたスナップ作品がある。個展・グループ展多数開催。
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〈文〉鬼沢幸江