90年の歴史を刻む昭和レトロな銀座奥野ビルで大原明海写真展「アラバスターの部屋」開催

大原明海さんの写真展「アラバスターの部屋 Safe in their alabaster chambers」が、2022年4月11日より開催される。

大原明海写真展「アラバスターの部屋」

 

本展は「銀座奥野ビル306号室プロジェクト」の活動の一環として企画された写真展だ。本プロジェクトは、東京・銀座1丁目で90年の歴史を刻む奥野ビル306号室を維持しつつ活用することを目的としている。

2020年12月、プロジェクトメンバーの一人である大西みつぐさんによるポートフォリオレビューが開かれ、展示作家2名が選ばれた。大原明海さんはその1人である。大原さんは、かつて美容室であった奥野ビル306号室の物語に触れ、いつかここで写真展を開催したいと考えていたという。

本展のタイトルは、19世紀の詩人、エミリー・ディキンソンがアラバスター (雪花石膏) で造られた部屋を棺墓に例えて制作したとされる詩から「アラバスターの部屋」とした。作品は、大原さんの父親によって撮影された家族写真を複写したものだ。「生前の父とはほぼわかり合えなかった」というが、あらためて父親の写真と向き合い、レンズ越しに向けられた温かく柔らかいまなざしを感じながら制作された作品である。

写真#306レヴュー・SELECTION展 1
大原明海写真展「アラバスターの部屋 Safe in their alabaster chambers」

会期 2022年4月11日 (月) 〜17日 (日)
会場 銀座奥野ビル306号室
住所 東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル306号室
時間 12:00〜19:00 (最終日は18:00まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料

 

 

〈文〉鬼沢幸江