“第九”を可視化、聴覚と視覚を超えて音楽を感じる 田頭真理子写真展「第九のきせき」

田頭真理子さんの写真展「第九のきせき」が、2022年5月29日まで、ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で開催されている。

田頭真理子写真展「第九のきせき」

■展示作品ギャラリー

 

田頭真理子さんは、2019年にベネズエラで本場のホワイトハンドコーラスに魅せられ、ホワイトハンドコーラス NIPPONの撮影を行うようになった。ホワイトハンドコーラス NIPPONは手の表現で歌う (手歌) サイン隊と、合唱で歌う声隊から成り、聞こえない子も、見えない子も、その友だちも、多様な子どもたちが互いの力を合わせて活動する合唱団だ。

本展は、ホワイトハンドコーラス NIPPONの活動を表した写真展である。ベートーヴェン作曲「交響曲第九番 第四楽章」に描かれた歌詞の意味を、手話言語によって可視化した作品を展示。第九の歌詞の一部を切り取り、その1〜4秒の時間を封じ込めた写真で、ろう者の表情豊かな表現力も見どころだ。

また、視覚障害者も楽しめるよう、音響にも工夫を施している。聴覚を超えて音楽を感じる写真、また視覚を超えて音楽を感じる写真によって、ベートーヴェンが伝えたかったメッセージの21世紀バージョンを体験できる写真展だ。

会期中、田頭さんが参加者を撮影するフォトセッションも行っている。

田頭真理子写真展「第九のきせき」

会期 2022年4月29日 (金・祝) 〜5月29日 (日)
会場 ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
住所 東京都港区海岸1-10-45 アトレ竹芝シアター棟1F
時間 11:00〜18:00
休館日 月曜
入場料 中学生以上 1,000円 (税込)、小学生以下 無料

「第九のきせき」フォトセッション

開催日 5月21日 (土)・22日 (日)・28日 (土)・29日 (日)
会場 ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
時間 各日 11:00〜12:00 / 14:00〜15:00
定員 各回10名
参加費 1名 2,000円 (税込)
申し込み WEBサイトより
https://peatix.com/event/3225847

 

 

田頭真理子 (Mariko Tagashira)

広島県尾道市出身。高校卒業後、写真家立木義浩氏と出会い写真家を志す。客船「飛鳥」船上カメラマンを経て、2005年キヤノンギャラリーにて 初の個展「mobile sense」開催。その後フリーランスフォトグラファーとして活動を開始。2019年にベネズエラを訪れ本場のホワイトハンドコーラスに魅せられ、以後ホワイトハンドコーラス NIPPONの撮影を続けている。
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〈文〉鬼沢幸江