国内外で起きている現実を探求し続ける若手写真家たちが集う、第6回「TOKYO DOCUMENTARY PHOTO 2022」が2022年6月21日から開かれる。GALLERY KAI、キチジョウジギャラリー、半山ギャラリー、3つの会場で12名の写真家が作品を展示する。
ドキュメンタリー写真を発表する場が減っていることから、自分たちでその舞台を作っていく。2017年から始めたプログラムは年々、参加者を増やし規模を広げてきた。
中条望さんはアジアを中心とした難民や辺境に暮らす人々などを取材。紀成道さんは日本社会が直面する課題を捉え、進むべきその先を見つめていく。中国出身の張鈺さんは、明治期から昭和初期に建てられた公共建築から、変化していった日本の姿を可視化する。豊田有希さんは熊本県の山間部にある集落の暮らしを撮影し続けた。水俣市から離れた村だが、村人の半数に水俣病の症状が出ていた。
「来場者は若い人から年配の方まで幅広くいます。世界の出来事に関心を持つ人が来場されるので励みになります」と出展者の一人で、キュレーションを担当した冨永晋さん。「自分たちの知らない世界を見て考えさせられた」「テレビの報道とは違う現実を知った」といった声があるそうだ。
いま何が起きているのか。どんな社会に生きているのか。写真は何を伝えるのか。何かを考えるきっかけになるはずだ。
TOKYO DOCUMENTARY PHOTO 2022
会場・展示作家
■キチジョウジギャラリー
神永悦史、川畑嘉文、紀 成道、龍神孝介
(東京都三鷹市井の頭3-32-16 セブンスターマンション105)
■GALLERY KAI
木村 孝、中条 望、冨永 晋、丸山 耕
(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-21-4)
■半山ギャラリー
齊藤小弥太、張 鈺、豊田有希、山下 裕
(東京都世田谷区松原1-51-3 エトワール3F)
会期 2022年6月21日 (火) 〜26日 (日)
時間 12:00〜19:00 (最終日は18:00まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料
〈文〉市井康延