遺品のひとつひとつが静かに強く心へ訴えかける 土田ヒロミ写真展「ヒロシマ・コレクション」

土田ヒロミさんの写真展「ヒロシマ・コレクション」が、2022年7月26日より開催される。

土田ヒロミ作品展「ヒロシマ・コレクション」
ワンピース 寄贈 : 1974年1月30日 寄贈者 : 小川リツ (小川節子さんの母親) 570×820mm

 

土田さんは、被爆から30年以上経って原爆の痕跡が見えにくくなっていた1970年代半ばに、「ヒロシマ」の現在を記録するべきという思いを抱き撮影を始めた。「ヒロシマ1945~1979」では体験者107名に取材し、「ヒロシマ・モニュメント」では原爆遺跡の風景を記録、そして「ヒロシマ・コレクション」では、広島平和記念資料館に収蔵された被爆者の遺品などを記録した。

さまざまな立場の被爆者が身に着けていた遺品ひとつひとつが白バックの中に浮かび上がる「ヒロシマ・コレクション」は、土田さんの“脱表現による表現”である。遠くなりつつある歴史を重層的に現在に引き戻す、深く重い作品群だ。

会期中の7月29日 (金) には土田さんのギャラリートークも開催する。要予約。

土田ヒロミ作品展「ヒロシマ・コレクション」

会期 2022年7月26日 (火) 〜8月28日 (日)
会場 JCIIフォトサロン
住所 東京都千代田区一番町25 JCIIビル1F
時間 10:00〜17:00
休館日 月曜 (祝日の場合は開館)
入場料 無料
問い合わせ JCIIフォトサロン (TEL 03-3261-0300)

ギャラリートーク「ヒロシマ・コレクション」を語る

日時 2022年7月29日 (金) 14:00~
定員 先着20名
参加費 無料
申し込み JCIIフォトサロンへ電話にて

 

 

土田ヒロミ (Hiromi Tsuchida)

1939年、福井県生まれ。1963年、福井大学工学部卒。ポーラ化粧品本舗入社後、東京綜合写真専門学校で学ぶ。退社後、フリーランスの写真家として活動。傍ら、東京綜合写真専門学校校長、大阪芸術大学教授、ニコンサロン運営委員などを歴任。2016年より金津創作の森美術館館長を務める。主な写真集に『俗神』『ヒロシマ (アサヒカメラ増刊)』『砂を数える』『新・砂を数える』『土田ヒロミのニッポン』『BERLIN』『フクシマ2011-2017』など。主な受賞歴に第8回太陽賞 (1971年)、1984年日本写真協会賞 年度賞、第3回伊奈信男賞 (1987年)、第27回土門拳賞 (2008年)、2022年日本写真協会賞 功労賞など。
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