“デジタルネイティブ”の写真家たちが新たな表現に挑む! 姫野顕司 / 野々山裕樹 / Nigel Wong写真展「#Photo3.0」

姫野顕司さん、野々山裕樹さん、Nigel Wong (ナイジェル ワン) さんによる写真展「#Photo3.0」が、2022年8月12日から開催される。

姫野顕司/野々山裕樹/Nigel Wong作品展「#Photo3.0」

■展示作品ギャラリー

 

デジタルネイティブの写真家3名が、フィルム写真など旧来の歴史や技術を踏まえて表現した作品や、デジタル画像やSNSといった現代社会の要素を取り入れた作品を一堂に集めて展覧する。

姫野顕司さんは、都市の風景を撮影したスナップ写真を展示する。アメリカの写真家、リー・フリードランダーさん (1934〜) によるアメリカ都市風景の写真や、砂漠の植物相を描いた写真集『The desert seen』を意識し、整理された構図で表現した。

姫野顕司/野々山裕樹/Nigel Wong作品展「#Photo3.0」

 

野々山裕樹さんは、ネガフィルムを解体して再構成した作品を展示する。荒木経惟さんの近年の二つの作品に影響を受け、手作業でフィルムを重ねて繋ぎ合わせる手法でイメージ層と物質性を表している。

姫野顕司/野々山裕樹/Nigel Wong作品展「#Photo3.0」

 

Nigel Wongさんは、デジタル写真の非物質性に着目した。ウィキペディアに現存する世界で最も古い写真原版の画像をコードに変換し、その文字列をプリントアウトして作品に仕上げている。画像データを紙で表現することで、非物質の物理的な質量という相反する要素を持つ作品だ。

姫野顕司/野々山裕樹/Nigel Wong作品展「#Photo3.0」

 

また、2000年代以降の文化であるSNSと写真表現の融合を目指し、Instagramのタグ付け機能を用いた観客参加型のコラージュ作品を制作する。そのコラージュ作品は、2010年代以降の技術であるNFT (ノン-ファンジャブル トークン) を使用して代替不可能なデジタルデータとして参加者に還元する。異なる文脈のさまざまな作品を同じ空間に置くことで、写真表現の可能性について考える展覧会だ。

姫野顕司 / 野々山裕樹 / Nigel Wong 作品展「#Photo3.0」

会期 2022年8月12日 (金) ~25日 (木)
会場 ソニーイメージングギャラリー
住所 東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6F
時間 11:00〜18:00
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ ソニーイメージングギャラリー (TEL 03-3571-7606)

 

 

姫野顕司 (Kenji Himeno)

1992年、岡山県生まれ。東京都在住。個展に「PERSEUS」(2021年 Alt_Medium 高田馬場)、「幻肢」(2022年 rusu 目黒)。
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野々山裕樹 (Hiroki Nonoyama)

1991年生まれ。2019年、1_WALLファイナリスト。2020年、EMON AWARDファイナリスト。2021年、清里フォトアートミュージアムへ作品収蔵 (ヤング・ポートフォリオ)。
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Nigel Wong (ナイジェル ワン)

1990年、香港生まれ。2012年、国立台湾大学哲学専攻卒業。2021年、東京綜合写真専門学校卒業。金村修ワークショップ参加。
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〈文〉鬼沢幸江