アマチュア写真家を対象とした「第28回酒田市土門拳文化賞」の受賞作品展が、2022年9月3日から開催される。
「第28回酒田市土門拳文化賞」は静岡県・大角勝さんの「立ち止まる情景」に決まった。今回は35都道府県の106人から116作品が寄せられた。
受賞作は、コロナ禍により、県内を舞台に街の情景を記録していった。審査員の藤森武さんは、作者の確固たる写真美学を指摘し「コロナ禍を逆手に取った見事な写真群。2枚組×15組の写真構成は新鮮味を増している」と評価した。
酒田市土門拳文化賞奨励賞は3名が選ばれた。静岡県・若林茂さん「母 卒寿」(カラー30枚組) は四季を通し、農作業に携わる母の姿を追った。「ラストから1枚目へのループが素晴らしい。愛しさの情を丁寧に映像として描いている」と審査員の大西みつぐさんは評した。
群馬県・井上宏さん「一瞬」(モノクロ30枚組) は動物園で捉えた動物たちの表象で、そこからは世界環境の激変に率先して反応していることが読み取れるという。
大阪府・宮崎豊さん「なにわ新世界ストーリー・コロナ禍の時代」(モノクロ30枚組) は、数多くの写真が撮られてきた大阪新世界が舞台。コロナ禍の時代にともにいる人間としてカメラを向け、人間模様と明日への希望を写し取った。
第28回酒田市土門拳文化賞受賞作品展
会期 2022年9月3日 (土) ~10月16日 (日)
会場 土門拳記念館 企画展示室II
住所 山形県酒田市飯森山2-13 飯森山公園内
時間 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日 会期中無休
入場料 一般700円、高校生350円、小中学生無料
問い合わせ 土門拳記念館 (TEL 0234-31-0028)
<巡回展>
2022年11月15日 (火) ~28日 (月) ニコンプラザ東京
2022年12月8日 (木) ~21日 (水) ニコンプラザ大阪
酒田市土門拳文化賞
山形県酒田市出身の世界的な写真家・土門拳の芸術文化への功績を記念し、写真文化・写真芸術の振興を目的として1994年6月に創設された。日本国内に居住するアマチュア写真愛好家を対象としている。
→ WEBサイト
〈文〉市井康延