20世紀を代表する写真家 ロバート・キャパの素顔に迫る「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」

20世紀を代表する報道写真家、ロバート・キャパの特別展「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」が、2022年9月10日から開催される。

もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展
ロバート・キャパ・ポートレート (1951年) ルース・オーキン撮影
東京富士美術館所蔵 The Robert Capa and Cornell Capa Archive

■展示作品ギャラリー

 

スペイン内戦や第二次世界大戦などの戦場で、さまざまな激戦模様をカメラに収めたロバート・キャパ。リアルタイムに映像が届けられることがなかった時代、キャパの戦争報道写真が紙面を通して人々に与えた衝撃は計り知れない。

一方で、キャパは戦時下の市民の表情や、親交のあったピカソやヘミングウェイなど、著名人の飾らない表情も数多く残している。このことは、キャパ自身が写真集を企画刊行する編集的視野をもっていたことと関係しているかもしれないが、人が見せる鮮烈な感情と向き合うことで「人間」という存在に迫る挑戦であったと捉えることもできる。

本展では、東京富士美術館が誇るロバート・キャパ・コレクションの中から、溢れ出る感情とそれを捉えるキャパの眼を軸に選び出した約100点の作品を展示する。激動の世紀を駆け抜けたキャパの「もうひとつの顔」として編集的視点や人柄に着目し、素顔に迫る写真展。

特別展「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」

会期 2022年9月10日 (土) 〜11月6日 (日)
会場 神戸ファッション美術館
住所 兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1
時間 10:00〜18:00 (入館は17:30まで)
休館日 月曜 (9月19日・10月10日は開館)、9月20日 (火)、10月11日 (火)
入場料 一般 1,000円、65歳以上・大学生 500円、高校生以下・神戸市内在住の65歳以上 無料
問い合わせ 神戸ファッション美術館 (TEL 078-858-0050)

学芸員によるギャラリートーク (展示解説)

開催日 2022年9月21日 (水)、10月6日 (木)、10月18日 (火)
時間 14:00〜 (所要時間約30〜40分)
会場 神戸ファッション美術館 展示室内
定員 先着20名
参加費 無料
参加方法 当日12:00よりチケットカウンター (受付) にて整理券を配布

 

 

ロバート・キャパ (Robert Capa)

ロバート・キャパ (本名アンドレ・フリードマン) は1913年、ハンガリーのブダペストに生まれた。1930年代から写真家として活動を始める。撮影機材の発展を背景に、臨場感のあるキャパの写真は注目を集める。公私にわたるパートナーであった女性写真家ゲルダ・タローとともにスペイン内戦を撮影し、兵士が撃たれた瞬間をとらえたとされる「崩れ落ちる兵士」で世に知られる存在となった。第二次世界大戦では連合国のノルマンディー上陸作戦やパリ解放などを取材。1947年にアンリ・カルティエ=ブレッソンやジョージ・ロジャーらとともに国際写真家集団「マグナム・フォト」を結成。1954年には来日し、東京・大阪・奈良などで市井の人々を撮影。その直後、第一次インドシナ戦争を取材中に地雷を踏み、40年の生涯を終えた。

 

〈文〉鬼沢幸江