同志でありライバルだった写真家2人の表現を検証する写真展「挑発関係=中平卓馬×森山大道」

神奈川県立近代美術館 葉山の企画展「挑発関係=中平卓馬×森山大道」が、2023年7月15日より開催される。

挑発関係=中平卓馬×森山大道
中平卓馬『来たるべき言葉のために』(1970年) より

 

中平卓馬さんと森山大道さん。親しい友人であり、唯一無二のライバルだったことは有名だ。その二人の写真を同じ空間に並べ、検証するのは初めての試みとなる。

二人は1964年の晩冬、写真家・東松照明さんの紹介で出会った。ともに26歳で、森山さんは上京して3年目、中平さんは総合雑誌『現代の眼』編集部に入って2年目のころだ。

1968年に写真同人誌『provoke』を制作し、その後はそれぞれの写真表現を模索していく。60年代の発表舞台は雑誌や写真集だったことから、本展では当時の貴重な印刷物を軸に紹介する。またヴィンテージや、新たに出力したプリント、映像を加えて二人の歩みを見せていく。

二人は若いころ逗子に居を構え、神奈川県下で長く暮らした。逗子や葉山はもちろん、横須賀や横浜、川崎なども繰り返し通った撮影地であり、このエリアで撮影した写真を中心にセレクト。二人の相違や共通するもの、互いに畏敬の念を持ちながら、共感し、反発した写真表現の正体がどこにあったのか。2000年代以降の作品も含め、二人の写真の変遷も見ながら、検証していく場となる。

挑発関係=中平卓馬×森山大道
森山大道《神奈川県 逗子市》1969/1970年

挑発関係=中平卓馬×森山大道

会期 2023年7月15日 (土) 〜9月24日 (日)
会場 神奈川県立近代美術館 葉山
住所 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
時間 9:30〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日 月曜 (7月17日、9月18日は開館)
入場料 一般1,000円、20歳未満・学生850円、65歳以上500円、高校生100円、中学生以下無料
問い合わせ 神奈川県立近代美術館 葉山 (TEL 046-875-2800)

 

 

〈文〉市井康延