“写されることによって浮かび上がる事実が写真の面白さ” 下瀬信雄写真展「つきをゆびさすIII 産土の章」

下瀬信雄さんの写真展『つきをゆびさすIII「産土の章」』が、2023年10月10日より開催されます。

下瀬信雄写真展 つきをゆびさすIII「産土の章」

■展示作品ギャラリー (タップ/クリックで拡大します)

 

下瀬さんは、山口県萩市で写真スタジオを経営しながら、萩周辺の文化や歴史に根ざした作品を発表。土門拳賞や伊奈信男賞など数々の写真賞を受賞しています。

本展は、日常のごくささやかな出来事をテーマに構成したシリーズの3回目。「産土の章」と題した作品を展示します。

「つきをゆびさす」は、仏教用語の「指月」が由来。指し示す月という真理を見ようとせずに、経典の解釈、指先の方にとらわれることを諭した言葉だとされています。写真もよく似ているなと思ったことが、このシリーズのタイトルになったきっかけだそうです。

自分にはその「指し示す真理」が見えるはずもないが、それでも何らかの思いがなければ写真は撮れないだろうと下瀬さんは言います。「写そうとした事実と、写真になった映像とでは何かが微妙に違う。むしろ写されることによって改めて浮かび上がる事実というのが写真の面白さなのではないだろうか」

下瀬信雄写真展 つきをゆびさすIII「産土の章」

会期 2023年10月10日 (火) ~23日 (月)
会場 ニコンサロン
住所 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F ニコンプラザ東京内
時間 10:30~18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ ニコンサロン (TEL 0570-02-8080)

 

 

下瀬信雄 (Nobuo Shimose)

1944年、満州国新京市生まれ。終戦に伴い萩市に引き揚げる。1967年、東京綜合写真専門学校卒業。萩市で写真スタジオを経営しながら、萩周辺の文化や歴史に根ざした作品を発表。主な受賞歴に、日本写真協会新人賞 (1990年)、第30回伊奈信男賞 (2005年)、第34回土門拳賞 (2015年) など。