ハービー・山口さんの軌跡をたどる写真展「HOPE 2024 〜希望を撮り続けた50年〜」2会場で同時開催

ハービー・山口さんの写真展「HOPE 2024 〜希望を撮り続けた50年〜」が、東京・渋谷ヒカリエ 8/CUBEと日本写真芸術専門学校 Wall Galleryの2会場で開かれる。

ハービー・山口写真展「HOPE 2024 〜希望を撮り続けた50年〜」
Joe Strummer and his boots London 1980

 

ハービー・山口さんは2024年4月から日本写真芸術専門学校の校長に就任。この写真展はその記念で企画された。

8/CUBEでは、50年を超すハービーさんの活動をたどる。幼少期から高校時代まで、腰椎カリエスを患い、孤独と絶望感を抱いていたとき、写真と出会った。被写体を肯定的に捉えたその視点は初期から一貫し、観る人の気持を和ませ優しく包み込む。

大学を卒業後は、カメラマンを目指し渡英。10年ほど生活したロンドンは新しい才能が誕生した時代だった。デビュー前のボーイ・ジョージと生活をともにするなど、刺激的な日々を送り、そうした出会いの瞬間を切り取ってきた。本会場では学生時代の習作から最新作まで、3つのスペースを使い60〜70点を展示する。また愛機やコンタクトシートなども公開され、より深く彼の人となりを感じることができるだろう。

ハービー・山口写真展「HOPE 2024 〜希望を撮り続けた50年〜」
『代官山17番地』より「Tomorrow」東京 1996年

Wall Galleryでは代表作の一つ『代官山17番地』を再構成して紹介する。展示は10〜20点。

撮影機材が進化し、誰もが気軽に写真を撮れる時代になった。ただ観る人の心を動かす写真を作り出す技術は実現できていない。「山口さんのような温かみと洞察力を持つ写真家から学ぶことで、人間だからこそ生み出せる創造性を社会に提供できるクリエイターを育てたい」と日本写真芸術専門学校では話す。学科によっては、動画や3DCG、プロジェクションマッピングなど、情報を効果的に伝えるスキルもカリキュラムに組み込んでいる。

そして、6月28日には渋谷ヒカリエで本展に合わせたスライド&トークショーを開く。

ハービー・山口 日本写真芸術専門学校校長就任記念展「HOPE 2024 〜希望を撮り続けた50年〜」

渋谷ヒカリエ 8/CUBE 1,2,3

会期 2024年6月25日 (火) ~7月2日 (火)
住所 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
時間 11:00~20:00 (最終日は17:00まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料

日本写真芸術専門学校 8F Wall Gallery

会期 2024年6月25日 (火) ~7月7日 (日)
住所 東京都渋谷区桜丘町4-16 日本写真芸術専門学校8F
時間 9:30~20:30 (土日は17:00まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料

校長就任記念 ハービー・山口スライド&トークショー「50年間の写真家人生を経て、次の世代に何を伝えるべきか?」

日時 2024年6月28日 (金) 15:00~16:30
会場 渋谷ヒカリエ 8/COURT
住所 東京都渋谷区渋谷 2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
出演 ハービー・山口
参加費 無料
定員 50名予定 (先着順)
申し込み 日本写真芸術専門学校WEBサイトより
https://npi.ac.jp/topics/2024/06/05/9757

 

ハービー・山口

ハービー・山口 (Herbie Yamaguchi)

1950年生まれ、東京都出身。23歳でロンドンに渡り10年間在住。劇団の役者を経ながら写真活動に励む。折からのパンクロックのムーブメントの中、ミュージシャンのポートレートが高く評価された。幼年期に患った病歴の末、写真のテーマを「生きる希望」とし人物を撮り続けている。また、エッセイの執筆、ラジオのパーソナリティーなど幅広く活動中。ギタリスト布袋寅泰には歌詞を提供している。2011年度日本写真協会賞作家賞受賞。個展・著作多数。作家名の「ハービー」は、敬愛するジャズフルート奏者ハービーマンより。『CAPA』でフォトエッセイ「You are a peace of art.」を連載中。
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〈文〉市井康延