日本写真協会賞受賞作品展が、2024年5月31日より開催される。
2024年度「日本写真協会賞」の受賞者が発表された。作家賞は公文健太郎さんに決まった。2012年に本賞新人賞を受賞以降、目覚ましい活動を続けてきた公文さん。2022年、写真集『眠る島』の出版に際しては18回の写真展を開いている。今後、さらなる活躍を期待して贈られた。
新人賞は遠藤励さんと夢無子さんに。遠藤さんは1990年代後半からボードカルチャーの撮影を始めた。受賞対象となった「MIAGGOORTOQ」は北極先住民を記録するプロジェクトで、2017年より取り組んでいる。夢無子さんは定住せず、70か国以上を旅しながら作品制作を行なう。「自由奔放なその作品に対して」が受賞理由だ。
国際賞は日台の写真界の橋渡し役を担ってきた沈昭良さん、功労賞は写真家の川田喜久治さんと、創立100周年を迎えた東京工芸大学を選出した。
そして今回、注目したいのは学芸賞に選ばれた寺崎英子写真集刊行委員会 (代表 : 小岩勉さん) だ。2023年3月に写真集『細倉を記録する寺崎英子の遺したフィルム』が刊行された。細倉は宮城県にあった鉱山で1987年に閉山。住人だった寺崎さんは閉山が発表された1986年から13年間、この地の暮らしを撮り続けた。彼女は偶然出会った写真家の小岩さんに自らのネガを託し、その翌年の2016年に亡くなっている。撮影した写真はモノクロとカラーで約1万1000カットに上る。
■展示作品
作家賞 : 公文健太郎「眠る島」
新人賞 : 遠藤励「MIAGGOORTOQ (ミアゴート)」、夢無子「 の窓」
■受賞紹介 (作品展示なし)
国際賞 : 沈昭良
功労賞 : 川田喜久治、東京工芸大学、
学芸賞 : 寺崎英子写真集刊行委員会 (代表 小岩勉)
東京写真月間2024 日本写真協会賞受賞作品展
会期 2024年5月31日 (金) ~6月6日 (木)
会場 富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1
住所 東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウエスト1F フジフイルム スクエア内
時間 10:00〜19:00 (最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ フジフイルム スクエア (TEL 03-6271-3350)
ギャラリートーク
日時 2024年6月2日 (日) 14:00~14:40
会場 写真展会場内
出演 公文健太郎 (作家賞)、遠藤励 (新人賞)、大西みつぐ (聞き手)
参加費 無料
予約 不要
〈文〉市井康延