多様な価値観が共生する京都大学吉田寮にフォーカスした ダニー・モリオカ写真展「境界のない余白 / Margin with no borders」

ダニー・モリオカさんの写真展「境界のない余白 / Margin with no borders」が、2024年7月12日より開催されます。

 

京都大学吉田寮。それは日本最古の学生自治寮。一人ひとりの独立した個性同士が緩くつながり、多様な価値観が共生する絶妙な距離感と配慮が暗黙のうちに保たれています。

ダニー・モリオカさんは2017年からここに通い続けています。何度も宿泊してここの暮らしの一端を丁寧に写真におさめていきました。寮に暮らす寮生と寮に集うさまざまな人たちとの対話は多くの気づきをモリオカさんにもたらしたそうです。「自分と他者との関係性や内部と外部を隔てているものが曖昧なこと、その余白と境界がはっきりしない間合いは、今まで感じたことのない心地よさだった」とモリオカさんはいいます。

本作は、エプサイトギャラリーの2024年度公募展応募作品からの選出。

選考委員の本尾久子さんは「ある場所に惹かれ、仲間を作るほどに浸り込みながら、撮影している様子がうかがわれる。飾りない内情が写しとられ、過去が蓄積する建造物で暮らす若者たちの現在が、生き生きととらえられている」と評しています。

便利さや快適さを拒否して存在しているように見える吉田寮ですが、原初的な人と人とのつながりを対話によって維持していく未来の姿と捉えた展示となっています。

ダニー・モリオカ写真展「境界のない余白 / Margin with no borders」

会期 2024年7月12日 (金) ~7月25日 (木)
会場 エプソンスクエア丸の内 エプサイトギャラリー
住所 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F
時間 11:00〜18:00
休館日 日曜/祝休日
入場料 無料

 

 

ダニー・モリオカ (Danny Morioka)

三重県生まれ。京都芸術大学芸術学部美術科写真コース通信教育部卒業。個人と社会との関係性や共同体と居場所をおもなテーマとして撮影と作品制作を続けている。
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