小柴一良さんの第44回土門拳賞受賞作品展「水俣物語 MINAMATA STORY 1971-2024」が、2025年4月22日より開催される。

毎日新聞社が主催する第44回「土門拳賞」が決まった。写真集『水俣物語 MINAMATA STORY 1971-2024』(弦書房) を制作した写真家の小柴一良さんに贈られる。
小柴さんは1948年、大阪府生まれ。1971年、大阪で開かれたチッソの株主総会を撮影したことで、水俣病事件と関わり始めた。同年はユージン・スミスが水俣に移り住んだ年でもある。
1974年から1979年まで水俣で暮らした後、小柴さんは取材を一時中断。2007年から再開し、50年越しでこの地とそこで暮らす人々のその後を記録してきた。時代によって犠牲を強いられた市井の人たちの姿は、繰り返し起こされてきた歴史の悲劇と共鳴する。「現在も続く公害問題を記録し続け、社会に示した作者の意志」が高く評価された。

第44回土門拳賞受賞作品展 : 小柴一良「水俣物語 MINAMATA STORY 1971-2024」
東京
会期 2025年4月22日 (火) ~5月2日 (金)
会場 ニコンプラザ東京 THE GALLERY
住所 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F
時間 10:30〜18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ THE GALLERY (TEL 0570-02-8080)
大阪
会期 2025年5月15日 (木) ~28日 (水)
会場 ニコンプラザ大阪 THE GALLERY
住所 大阪市中央区博労町3-5-1 御堂筋グランタワー17F
時間 10:30〜18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ THE GALLERY (TEL 0570-02-8080)
山形
会期 2025年10月31日 (金) ~2026年1月25日 (日)
会場 土門拳写真美術館
住所 山形県酒田市飯森山2-13 飯森山公園内
時間 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日 12〜3月は毎週月曜 (祝日の場合は翌日休館)、12月29日〜1月3日
入場料 一般900円、高校生450円、中学生以下無料
問い合わせ 土門拳写真美術館 (TEL 0234-31-0028)

小柴一良 (Kazuyoshi Koshiba)
1948年、大阪府生まれ。大学卒業後、1972年から大阪の西川孟写真事務所で撮影助手として働く。その時代に土門拳の「古寺巡礼」などの助手も行なう。1974年に写真家として独立し、水俣病の取材を始め、1979年まで現地で暮らす。その後、大阪を拠点に、主に広告写真を撮影する。2007年、水俣で開催された写真展「水俣を見た7人の写真家たち」に参加したことをきっかけに水俣取材を再開し、撮影を続けている。
〈文〉市井康延