第49回木村伊兵衛写真賞を受賞した長沢慎一郎さんの写真展「Mary Had a Little Lamb」開催

第49回木村伊兵衛写真賞を受賞した長沢慎一郎さんの受賞作品展「Mary Had a Little Lamb」が、2025年4月25日より開催されます。

長沢慎一郎作品展「Mary Had a Little Lamb」
写真集『Mary Had a Little Lamb』より

 

長沢さんは2008年から、無人島だった父島に最初に入植した欧米系島民の子孫たちを撮り続け、2021年に写真集『The Bonin Islanders』を上梓。そして2024年に、受賞作となった写真集『Mary Had a Little Lamb』を発表しました。米軍占領時代の父島での出来事に着目してまとめたシリーズです。

本作のタイトル「Mary Had a Little Lamb」(メリーさんの羊) は、父島に配備された核弾頭の貯蔵施設に付けられた名。長沢さんは父島に残存する戦跡を訪れ、その場所に宿る記憶に光を当てました。

木村伊兵衛写真賞は、故・木村伊兵衛氏の業績を記念して1975年に創設。各年に優れた作品を発表した新人写真家を表彰しています。第49回は、写真家の今森光彦さん、大西みつぐさん、澤田知子さん、長島有里枝さんが選考にあたりました。

今森さんは「ここに確実に、私たち日本人が忘れてはいけないものが存在する」、澤田さんは「受賞作は『Mary Had a Little Lamb』であるが『The Bonin Islanders』から続く一連の作品に対する評価が今回の受賞へとつながった」と評しています。

長沢慎一郎作品展「Mary Had a Little Lamb」
写真集『Mary Had a Little Lamb』より

第49回木村伊兵衛写真賞受賞作 : 長沢慎一郎作品展「Mary Had a Little Lamb」

会期 2025年4月25日 (金) ~5月8日 (木)
会場 ソニーイメージングギャラリー
住所 東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6F
時間 11:00〜19:00
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ ソニーイメージングギャラリー (TEL 03-3571-7606)

 

 

長沢慎一郎作品展「Mary Had a Little Lamb」
〈写真〉和仁貢介 (朝日新聞出版写真映像部)

長沢慎一郎 (Shinichiro Nagasawa)

1977年、東京都八王子市生まれ。世田谷区在住。日本写真芸術専門学校、10BANスタジオを経て、広告写真家・藤井保氏の元で4年半アシスタントを続け、2006年に独立。長く広告写真の分野で活躍し、2008年に東京都小笠原・父島の約100年前の欧米系島民の写真に衝撃を受けて撮影をはじめる。13年の年月を経て、欧米系島民のアイデンティティーをまとめた初の写真集『The Bonin Islanders』(赤々舎) を出版。2024年、受賞作となった『Mary Had a Little Lamb』(赤々舎) を発表。
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