第33回林忠彦賞の受賞を記念した鶴巻育子さんの写真展「ALT」開催

鶴巻育子さんの第33回林忠彦賞受賞記念写真展「ALT」が、2025年5月13日より開催されます。

第33回林忠彦賞受賞記念:鶴巻育子写真展「ALT」
人は影になる。どちらを向いているかわからない。

 

受賞対象となったのは、2024年に発行された写真集『ALT』と、同年に東京・キヤノンギャラリーSで開催された同名の写真展。鶴巻さんが見ることへの疑問を抱き、見ることを仕事とする写真家の自身とは対極ともいえる視覚障害のある人々に興味を持ったことをきっかけに始まったプロジェクトです。鶴巻さんは視覚障害者の外出をサポートする同行援護従業者の仕事にも携わり、約4年にわたる取材を経て作品を完成させました。

本作は3部構成となっています。セクション1「隣にいる人」は、視覚障害者と対話しながら撮影したポートレート。セクション2「※写真はイメージです」では視覚障害者から見え方を聞き取り、正解ではないことを前提に写真化。セクション3「見ることとは何か」では、視覚障害者と一緒に街を歩いてスナップ撮影を行い、視覚以外で世界を感じ取っている人々の感覚を写真によって視覚化。見えている鶴巻さんの写真と対比させています。

選考委員長の大石芳野さんは「見える自分が、見えない彼らとどう違うのか、同じなのか、彼らはどういう世界観の中にいるのか。想像をもって具体的に進めてきたことで、この写真の意義深さも伝わってきます」と評価。また、鶴巻さんは受賞にあたり「この取材を通して、ものごとは簡単にカテゴライズできるわけではないこと、時には正解を求める必要がないこと、見ることは目を使うだけではないことなど、さまざまな思い込みから解放されました」「この経験は、今後私の作品制作の支えになると思っています」とコメントしています。

本展では、視覚障害者とのコミュニケーションに焦点を当てた「※写真はイメージです」のセクションを展示します。東京のあと大阪へも巡回。東京では、写真集『ALT』のデザインを手がけた宮添浩司さんを迎えてのトークイベント、大阪では鶴巻さんのワークショップなども実施します。

写真家・鶴巻育子が視覚障害者と関わりながら「見ること」について思考を巡らせるプロジェクト「ALT」。東京のキヤノンギャラリーSで開催された展覧会は大きな反響を呼び、第33回林忠彦賞を受賞しました。本展では「隣りにいる人」「※写真はイメージです」「見ることとは何か」の3部構成からなる同展覧会のうち、視覚障害者とのコミュニケーションに焦点を当てた「※写真はイメージです」のセクションを展示いたします。

第33回林忠彦賞受賞記念 鶴巻育子写真展「ALT」

東京

会期 2025年5月13日 (火) ~25日 (日)
会場 Jam Photo Gallery
住所 東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階B号室
時間 12:00〜18:00 (日曜は17:00まで)
休館日 月曜
入場料 無料
問い合わせ Jam Photo Gallery (TEL 050-7118-1669)

大阪

会期 2025年7月1日 (火) 〜13日 (日)
会場 ギャラリー ソラリス
住所 大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館B1F
時間 11:00〜19:00 (最終日は18:00まで)
休館日 月曜
入場料 無料
問い合わせ ギャラリー ソラリス (TEL 06-6251-8108)

関連イベント

東京

■宮添浩司×鶴巻育子ギャラリートーク

日時 2025年5月17日 (土) 18:00〜19:30
会場 Jam Photo Gallery
参加費 1,000円 (税込)
申し込み WEBサイトより
https://jambooks.stores.jp/items/67f651442fa52a134a55ea71

大阪

会場はすべてギャラリー ソラリス、申し込みはWEBサイトより。
https://solaris-g.com/portfolio_page/250701/#event1

■鶴巻育子×橋本大和 ギャラリートーク「東西レンタルギャラリーについて」

日時 2025年7月1日 (火) 19:00〜20:30
定員 15名
参加費 1,000円 (税込) ※写真集購入者は無料

■柿島貴志 ポートフォリオレビュー

日時 2025年7月12日 (土) 15:30〜18:00
定員 6名
参加費 5,000円 (税込)

■鶴巻育子×柿島貴志 ギャラリートーク「ALTについて」

日時 2025年7月12日 (土) 19:00〜20:30
定員 15名
参加費 1,000円 (税込) ※写真集購入者は無料

■鶴巻育子 スナップ撮影&セレクトWorkShop in 大阪

日時 2025年7月13日 (日) 10:00〜15:30
定員 8名
参加費 8,800円 (税込)

 

鶴巻育子 (Ikuko Tsurumaki)

1972年、東京生まれ。写真家。1997年の1年間渡英し語学を学ぶ。帰国後、周囲の勧めで写真を学び始めた。カメラ雑誌の執筆や写真講師など幅広く活動する一方、2019年に東京・目黒に写真ギャラリー「Jam Photo Gallery」を開設し、著名写真家の企画展や若い写真家への場の提供、アマチュアの育成にも力を注いでいる。国内外のストリートスナップで作品を発表しながら、視覚障害者の人々を取材し「みること」をテーマとした作品にも取り組んでいる。
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