ダブルズームキットの2本のレンズ(18-55ミリ、55-200ミリ)は、どちらも手ブレ補正機能「VR」を搭載。日常的な撮影はこの2本でOK。これに50ミリなどの手軽な大口径レンズや、標準~望遠系のマクロレンズを加えたら、表現の幅が広がってさらに楽しくなるネ。
DXフォーマットのフラッグシップ機D300にも搭載されていない新機構「エアロフロートコントロールシステム」を採用し、ミラー昇降時の空気の流れをコントロール。この機構により、センサー面(ローパスフィルター)にゴミが付着しにくくなる。…というのが、今回の『ニコンD60』の大きな注目点になるだろう。その他の注目点は、前回紹介したRAW現像を含む「カメラ内画像編集機能」が多彩な点かな? 簡単レタッチ、ストップモーション作成、フィルター効果(クロススクリーンで光源に光芒を作り出したりできる)…と、カメラ内でいろいろ楽しめるのだなー。
まあ、外観や基本仕様はD40Xとほとんど変わらないので、ニューモデルとしてのインパクトは弱い。でもって、実際に手にして操作してみても、D40シリーズと何ら変わらない(苦笑)。でも、よ~く見たら細かい部分が変化&進化しているヨ。たとえば、シャッターボタン脇にあった情報表示ボタンは「アクティブD-ライティングボタン」に変更された。これによって、アクティブD-ライティングのオン/オフが、ファインダーを覗いた体勢のまま簡単に切り替えられるようになった(ファインダー内でも確認できる)。また、ファインダー接眼窓のすぐ下に「アイセンサー」と搭載したので、ファインダーを覗くと液晶モニターが自動的に消灯し、覗くのをやめると自動的に点灯するようになった。特に目新しい機能じゃないけど、こういった実用的な機能は大歓迎!
D40シリーズと同様、シャッターを切った際の感触や音質がとてもソフトなのもイイね。ほら、デジタル一眼レフで連続して撮影すると、けっこう作動音が気になるじゃない。撮ってる本人は気持ち良くても、近くにいる人は「ちょっとウルサイかも」と感じたりする。でも、このD60の作動音は本当にソフトで優しいから、隣にいる人(列車の隣席に座る撮影者とは関係ない人など)も「ウルサイなぁ~」とは感じないんじゃないかな。ええ、このカメラなら心置きなく車窓風景が撮影できますわぁ~(笑)。
気になる実写結果(描写性能)も、とても素直で好感が持てた。十分にシャープなんだけど、ガリッと過度にシャープになり過ぎず質感がよく出ていたね。また、オートホワイトバランスも「D40シリーズと同様、安定度が高いなー」と感じましたヨ。
微妙なシャッター速度(中速)だったが、手ブレ補正機能「VR」のおかげで、シャープに写し止めることができた。 ◆ニコンD60 AF-S DX VRズームニッコール55-200ミリF4-5.6G(200ミリで撮影) Aモード f5.6 1/50秒 +0.3補正 WB晴天 ISO200 JPEG(L/FINEで撮影)
仕上がり設定は「標準」で、ホワイトバランスはオート。高層ビル群と冬の青空が、シャープかつクリアに再現できた。 ◆ニコンD60 AF-S DXニッコール18-55ミリF3.5-5.6G VR(18ミリで撮影) Aモード f11 1/100秒 AWB ISO100 JPEG(RAW+Bで撮影)
はいっ、ココがD60が誇る新機構「エアフロートコントロール」の空気流制御穴でございますっ! って、あまりにも地味なパーツだなぁ(笑)。でも、コイツが人目を忍んで(?)頑張ってるから、ゴミ付着のトラブルが軽減されるのヨ。特に、上の写真のように“絞り込んで青空を撮る”とゴミが目立つから、こういった機能は心強いよねー。
夕方特有の“艶っぽい色調”が、オートホワイトバランスで上手く再現できた。 ◆ニコンD60 AF-S DX VRズームニッコール55-200ミリF4-5.6G(145ミリで撮影) Aモード f8 1/100秒 -0.3補正 AWB ISO200 JPEG(L/FINEで撮影)
ド逆光のお城。シャドー部は完全につぶれず、少し階調が残っている。そのぶん、背後の空は明るめ。でも、そんなに悪くない描写である。 ◆ニコンD60 AF-S DXニッコール18-55ミリF3.5-5.6G VR(35ミリで撮影) オートモード f10 1/400秒 AWB ISO100 JPEG(L/FINEで撮影)