機材レポート

バランスの良い高性能な標準ズーム、と言えば…『オリンパスZUIKO DIGITAL ED 12-60ミリF2.8-4.0 SWD』

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 「標準ズーム」は、交換レンズ群の中で最も使用頻度の高いレンズである…とは限らないけど、いろんな被写体や撮影状況に対応できるレンズであることは間違いない。ボクが標準ズームに求めるのは“仕様のバランスが取れてること”かな。ここ1年くらいの間に発売された製品の中で「これはバランスの良い標準ズームだなぁ」と感心したのは、昨年秋にE-3と同時にデビューしたオリンパスの『ZUIKO DIGITAL ED 12-60ミリF2.8-4.0 SWD』。コレがイチオシだね、ボク的には。

 35ミリ判換算で24~120ミリ相当という広めの画角をカバーしつつ、開放F値は「F2.8-4.0」をキープ。他の標準ズームだと、開放F値がズーム全域「2.8」の大口径タイプか、望遠端が「F5.6」まで暗くなるタイプが多い。個人的には、その中間に位置する標準ズームが好みなんだよね。画角は大口径タイプよりも少し広めで、開放F値は“ほどほどに明るい”製品がイイ。そう、いくら手ブレ補正機構を搭載していても(レンズ側で補正するカメラの場合)、望遠端(中望遠の画角)の開放F値が「5.6」だと少しさびしいからサ。この12-60ミリF2.8-4.0は、そのあたりのバランスが絶妙。また、ズーム全域で25㌢まで寄れるのも大きな魅力!

 …でもって、描写性能もかなり高いんですわ。E-3を借りて実写チェックした時に、ボディの優秀さよりも、このレンズの描写性能の方が、より強く印象に残ったくらいだから(笑)。少し離れて撮ったシーンの細密感や画面の均一性とか、ホント感心しちゃったからねー。

 ただし、ボディとレンズのバランスを考えると、このレンズに見合うカメラは、やっぱフラッグシップ機のE-3になっちゃうかな? 「ハイグレード」クラスの製品としては、そんなに驚くほど大柄なレンズじゃないんだけど、E-520やE-420はあまりにも小型軽量すぎるからねぇ。う~ん、キヤノンEOS40Dクラス(サイズや機能や仕様)のボディがあればベストなんだけど(苦笑)。

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走る列車がすぐ目の前までやってきた。その瞬間が「望遠端で絞り開放」という条件で、ばっちりAFでピントが合った。さすがはSWD! ◆オリンパスE-3 ZUIKO DIGITAL ED 12-60ミリF2.8-4.0 SWD(60ミリで撮影) Mモード f4.0 1/2000秒 WB:晴天 ISO200 JPEG(L/FINE)

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日没後の西空を背景に、暮れなずむ桜の枝をクローズアップ。「最短ズーム全域25㌢」と「開放F4.0」が、このフワッとした雰囲気を作り出した。 ◆オリンパスE-3 ZUIKO DIGITAL ED 12-60ミリF2.8-4.0 SWD(60ミリで撮影) Aモード f4.0 1/125秒 WB:晴天 ISO400 JPEG(L/FINE)