E-410と同様、ボディ内手ぶれ補正機構を搭載しないモデルなので「万人向け」とは言えない『E-420』。だが、手ぶれ補正搭載機のE-510とはひと味違う“軽快さ”は、なかなか魅力的だネ。ちなみに、今回使ったのは「ベータ機」ですヨ。
外観上では「コントロールダイヤル」のデザインの変更が目立つ。それと、液晶モニターの大型化や、背面の各ボタンの色&質感の違いなども…。
レンズ交換式デジタル一眼レフで「世界最薄・最小」の看板を提げて登場した『オリンパスE-420』。そのベース機は言うまでもなくE-410。ほぉ~、あの超コンパクト機よりも薄くて小さいのか。どれどれ、数値を比較してみようか。…ん? どちらも「129.5×91×53㍉」だけど。まあ、カタログには「突起部含まず」と記載されているので、単純に「幅×高さ×奥行き」では表わせない“最薄・最小の要素”があるのだろう。E-410と比べると、グリップ部の形状などがビミョーに変更されている。もちろん、ボクが所有するE-510よりもグ~ンとコンパクト。幅が小さくて、グリップ部のボリューム感が全然違うんだよね(E-510のグリップも、さほどボリュームはないんだけど)。
前モデルE-410は、超コンパクトながら「ライブビュー機能」も搭載する、なかなか高機能なモデルだった。今回のE-420では、そのライブビューに「AFライブビュー機能」が加わった。これはミラーを下げないで(モニターが暗転しないで)AFが可能なモード。だから、コンパクトデジカメと同じ感覚でAF撮影ができるのよ。ほら、多くのデジタル一眼レフのライブビュー撮影って、ミラーを下げてAF駆動をおこなうから、パタパタと落ち着きがないでしょ? それから解放されるなら「積極的にライブビューを使ってみてもイイかも」という気になってくる。実際、コンパクトデジカメと遜色のない操作性&操作フィーリングのライブビューで快適だった。
そういった“目玉機能”も見逃せないが、ボク個人としては“基本機能の充実”や“画質の向上”といった点に、より魅力を感じるのだなー。「2.7型」と一回り大きくなった液晶モニターは、輝度だけでなく色傾向(色温度)まで調節できるようになった。そして、画素数は「1000万画素」と変わらないが、新開発のLiveMOSセンサーは、広ダイナミックレンジで階調再現が向上し、解像感も高くなっている。今回の限られた撮影でも、それがハッキリと確認できた。正直なところ、E-410やE-510だと「ハイライトの階調が飛びやすいかな」と感じてしまうが、このE-420にはそういう不満は感じなかったね。ただし、従来機と同様に、レリーズ時の作動音は少し耳障り(甲高い音質)。こういった点まで配慮されていれば、より魅力的なモデルになっていたハズ。
巨大なダルマさん。従来機だと、目や顔の白い部分の階調が飛んでしまうケース。だが、E-420ではその部分の階調もしっかりと再現された。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Aモード f11 1/160秒 AWB ISO100 JPEG
もろ逆光の梅の木。太陽と周囲の階調は飛んでいるが、その範囲は意外と狭い。そして、シルエットになっている幹の階調も、実は微妙に残っているのだ。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL ED 14-42ミリF3.5-5.6(14ミリで撮影) Aモード f11 1/640秒 AWB ISO100 JPEG
地面すれすれの位置から「AFライブビュー機能」を使って、花壇の花をアップで狙う。AFでミラーがパタパタ動かないのは、やっぱイイよねぇ~!
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL ED 14-42ミリF3.5-5.6(42ミリで撮影) Aモード f5.6 1/320秒 +0.7補正 AWB ISO100 JPEG