D2系からバッテリー部分を削ぎ取って、内蔵ストロボを搭載。そのオーソドックスな外観は、D200の性格を端的に表わしているようだ。
今回取り上げるのは、ニコンが誇る本格デジタル一眼レフ『D200』である。…でも、すでに“顔なじみ感”たっぷり。そりゃそーだ、これまでも交換レンズの紹介でジャンジャン登場してるからね。Ai180ミリの回に、シグマ17〜70ミリDC(計2回)に、シグマ18〜200ミリDC…と。あ、前回のAFニッコール50ミリF1.4Dでも登場してるか。ん〜、例えるなら、大好きなカレーライスが3食くらい続いた感じかな(笑)。まあ、これだけ登場回数が多いということは、現在のボクの撮影に欠かせないカメラ、という証でもある。
晩秋のよく晴れた日、JR五日市線に乗って“小さな旅”に出かけた。撮り歩きのスタートは、ここ武蔵増戸駅から。木造の駅舎がイイ感じデ〜ス。
目の前を通過する列車に合わせて、リズミカルにシャッターを切り続けた。「5コマ/秒」と高速で、小気味良いシャッター音&感触。このフラッグシップ機並のレリーズ感がたまらないねぇ〜。
ボクがD200を常用する大きな理由に「旅に持っていけるサイズである」というのがある。いくら性能が信頼性が高くても、D2系やEOS‐1D系並のサイズだと、旅はもとより気軽に持ち出せんわな…。その点D200は、作りや機能はD2系に迫る本格仕様ながら、サイズや重さは許容範囲をキープ。もちろん、人によって「許容範囲」の尺度は違う。ボクの尺度は「ボディの上面と底部を片手でつかめればOK!」てな感じ。
マイクロ(マクロ)レンズは、他の交換レンズよりも、MFに切り替える頻度が高い。それだけに、ファインダーの倍率や“像のキレ”は、見過ごせないチェックポイント。
周囲を木に囲まれた林道で、侘しいカラスウリを見つけた。この侘しさがシブい! フォーカスモードはMF。ファインダー仕様の高さが実感できる場面だった。
昨年の11月、このニコンD200を持って“小さな旅”に出かけた。持参したレンズは、シグマ17〜70ミリF2.8‐4.5DC、AFマイクロ105ミリF2.8Dの2本。それと、キヤノンパワーショットA710IS。小さな旅らしく、機材もミニマム仕様ね。スタートはJR五日市線の武蔵増戸(むさしますこ)駅。そこから徒歩で、松岩寺や北郷神社や大悲願寺などに立ち寄りながら、最終的に武蔵五日市駅(五日市線の終着駅)まで歩いた。あ〜、よく晴れた気持ちのイイ日だこと…。
D80やD70系ではモードダイヤルがある位置に、ホワイトバランス、画質、ISOの3つのボタンが配置される(ダイヤルのような形状の台座に)。
松岩寺から北郷神社へ向かって歩く…。その途中、道路脇(畑の畦)の雑草にレンズを向ける。う〜ん、午後の光と望遠マクロのボケ味がステキ。ちなみに、この草はイヌタデ。
そういう状況だと「ホワイトバランスはオート、仕上がり設定は標準」で良さそうなモノ。でも、オートホワイトバランスで“謎な色傾向”を示すこともある(どのカメラにも言えることだが)。また、階調や彩度は標準設定だと“ナチュラル志向”なのか、ややインパクトに欠ける気がするんだよなぁ…。ということで、ボクはホワイトバランスは、マニュアル(光源別。他社だと「プリセット」と呼ぶことが多い)を選択することが多い。また、仕上がり設定は、階調や彩度などを自分で決める「カスタマイス」を選択することが多い。その設定による絵作りには、まあまあ満足している。ただし、ISO感度を上げた時の画質は不満! 目障りなノイズが出るんだよね。被写体や絵柄に関係なく許せるのはISO200までかな。ISO400くらいになると、画質にこだわる場合はあまり選びたくない。う〜ん、もう1段くらい画質のレベルを上げて欲しかったなぁ〜。
ちょっとフワフワした感触の、十字状に動くマルチセレクター。この感触は、少し慣れが必要かも。最下部にあるメモリーカードカバー開閉ノブが、プロ仕様っぽいネ!
D80やD40、D40Xが発売されて、ユーザーの興味も分散してきた今日…。でも、それら兄弟機や他社製品が次々に登場しても、まだまだD200の存在感や魅力は薄れていない。マグネシウム合金製ボディの剛性感や、防塵・防滴仕様などの作り込みの確かさ。そして、快適かつ充実度の高い機能&操作フィーリング…などなど、D80クラスにはない魅力がいっぱいなんデス!!
北郷神社から南に向かって歩いていて、とある住宅地の街角で立ち止まった。午後の斜光線が生み出す影の中、木造のお堂(薬師堂)が印象的に見えたから…。