こうやって液晶パネルを開いた状態(写真)だと、けっこうボリュームがあるように見える「HDC-TM60」。でも、実際はかなりコンパクトで感心しちゃう。液晶モニターを閉じると「幅51.5㍉」で、バッテリーを含む使用重量もわずか「301㌘」である。
最近では、ハイビジョン動画が撮影できるデジタルカメラ(一眼もコンパクトも)が、かなり増えてきた。だから、カメラ選びの際に、その点に注目している人も多いと思う。ボク自身、割と早い段階(ハイビジョン以前)からコンパクトデジカメの動画機能をけっこう使っていたので、当然ハイビジョン動画が撮れるデジカメをいくつか活用している(フルハイビジョンじゃないけど、ニコンD5000とか、パナソニックDMC-TZ7とか)。
でも、動画撮影がメインになる場合には、デジカメのハイビジョン動画機能じゃなくて、専用のハイビジョンビデオカメラを使用することにしている。それは、単に画質的な面だけじゃなく、動画撮影時のホールド感とかズーム操作の快適さとか、そういった“使いやすさ”の面も重要視するから。それと、画質ほどは話題にならないけど、音声のクォリティでも、一般的にビデオカメラの方が勝っている。「ステレオ方式である」というだけでなく、光学ズーム使用時の駆動音とかも気にならないしね。
そんなボクが最近買ったビデオカメラは、最新モデルの『パナソニックHDC-TM60』。多くのビデオカメラの泣き所である“広角画質の物足りなさ”を解消すべく、広角端を35.7ミリ相当まで拡大したモデルである(一般的なビデオカメラだと40ミリ台の中間くらい)。そんでもって、起動が速い! 液晶パネルを開いたら約1秒で電源オンになるのだ(実際に撮影が開始できるまでは、もう少しかかるけど)。ちなみに、これまで使っていた2年前に発売されたハードディスクタイプのビデオカメラ(これもフルハイビジョンタイプ)と比べると、なんと5秒くらいも速いのヨ。まあ、その点が気になっていたから、今回「新しいビデオカメラを買おう」と思ったんだけどね。
さらに「新しいビデオカメラを買おう」と思ったもうひとつの理由に“動画撮影中に撮影する静止画の画素数不足”が挙げられる。実は、今月末に息子が通う幼稚園の発表会があるんだけど、そこではビデオも撮りながら、静止画も撮りたいと考えている。こういう場合“ビデオは三脚に固定して録画しながら、自分は静止画撮影に集中する”という方法が一般的だと思う。でも、この方法だとビデオの画角が一定になるため、ただ全体を記録しただけの単調な映像になってしまいがち…。
そこで、ビデオカメラで動画撮影をしながら“静止画撮影を割り込ませる”という方法で撮影したいと思っている。…というか、実は昨年もやったのヨ。この方法で静止画を撮影すれば、一般のデジカメのような“動画の中にシャッターのまばたきが入ってしまう”という困った現象も起きないし。…でも、これまで使っていたビデオカメラだと、その時の静止画の画素数が「210万画素」しかない。しかも、16:9でこの画素数だからL判とかにプリントする際には左右を大きくトリミングすることになる。そうなると、使用する部分の画素数は160万画素以下になっちゃうのヨ。まあ、ある程度は覚悟してたけど、やっぱ「この画素数だとL判でもキビシイよ…」という結果になってしまった(苦笑)。
でも、新しく買った『パナソニックHDC-TM60』だと、動画撮影モードでも「450万画素」の静止画が撮影できる。えーと、その中から4:3の部分だけを抜き出すと…おっ「330万画素台」はキープしてるな。これならL判プリントくらいなら、十分に使える絵(画質)が得られるだろう。…で、実際にその方法でL判にプリントしてみたら、観賞に堪え得る画質はキープできていた。まあ、300万画素の“普通のデジカメ”で撮影した写真ほどのクォリティじゃないと思うけど、これなら昨年のような「トホホ…」な結果にはならないだろう。
なお、記録メディアは「内蔵メモリー」で容量は64GB。兄弟モデル「TM70」の内蔵メモリーは96GBとさらに大容量だけど、この部分以外のスペック差はないので(重さがわずか数㌘違ったりするけど)、値段の安さでTM60の方にした。それに、内蔵メモリー以外に、SDXCメモリーカード対応の「SDカードスロット」も搭載しているので全然問題ナシ。ちなみに「64GB内蔵メモリー+16GBカード」の連携だと、最高画質の設定で“10時間半以上”のフルハイビジョン動画が撮影できるのだなー。
★写真撮影モード(2592×1944)
このモードでの静止画(アスペクト比4:3時)の画素数は「500万画素」になる。その際の操作フィーリング(音や感触など)も、一般のデジカメに近い。
◆パナソニックHDC-TM60 Pモード F1.8 1/30秒 WBオート
★動画撮影モード(2816×1584から4:3にトリミング)
大画面モニター(ウチのモニターは24型ワイド)でチェックすると、さすがに「写真撮影モードの写真よりは精細感が落ちるなぁ」とは感じるが、それでもL判くらいのプリントには十分使えそう(実際には、少しピクセル補完して、アンシャープマスクかけると思うけど)。
◆パナソニックHDC-TM60 Pモード F1.8 1/60秒 WBオート
動画撮影モードでの静止画。割と“軟調な描写”になったので、画像加工で少しコントラストを高めてみた。ただし、青空の部分の描写を見ると、写真撮影モードの描写よりもナチュラルで好感が持てた。
◆パナソニックHDC-TM60 Pモード F3.3 1/1500秒 WBオート 動画撮影モード(2816×1584で撮影)