機材レポート

自前コンデジ・マクロ対決…の結果と感想

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広角で密着! 望遠でクローズアップ!! キヤノン パワーショットS3 IS

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各カメラとも、マクロモードで最も撮影倍率が高い(と思われる)ズーム位置で撮影(パワーショットの2機種はスーパーマクロモード)。ちなみに、このオオイヌノフグリは、直径1㌢前後のとても小さな花である。

 キヤノン パワーショットPro1、リコーGX200、キヤノン パワーショットS3 IS、ニコン クールピクス8400。この4機種は、ボクが所有しているコンパクトデジカメの中で、マクロ性能が高い(または高そうなイメージがある)機種である。その4機種を、近所の「水生植物園」で実写チェックした。

 その結果、2機種のマクロ性能が突出していた。72ミリ相当の望遠域で4㌢まで寄れる『リコーGX200』と、スーパーマクロモード(36ミリ相当)で0㌢までピントが合う『キヤノン パワーショットS3 IS』である。その倍率の差は…う~ん、微妙だなぁ(苦笑)。まあ、撮影毎の“誤差”もあるからねぇ。

 フツーに考えると、ワーキングディスタンス(被写体からレンズ先端までの距離)が少しでも保てるGX200の方が有利なんだろうけど、被写体に密着してもピントが合うパワーショットS3 ISには、独特の面白さがある。そう、まさしく“被写体に肉薄する”って感じなんだよねー。上の比較写真でも、パワーショットS3 ISは、オオイヌノフグリのシベの先端がレンズに触れてたもん(笑)。被写体にカメラの影が被るライティングの問題はあるけど、この肉薄感は痛快! 逆光になるポジションを選んで狙ったり、あえて被写体をカメラの影に被せる、といった工夫をすれば、かなり楽しいマクロ撮影ができそう。また、400ミリ(35ミリ判換算)以上の超望遠域で90㌢まで寄れる(通常モードでもマクロモードでも変わらない)。ちなみに、その際の撮影範囲は「横幅が名刺サイズくらい」になる。

 36~432ミリ相当(前回の数値、間違ってました。ゴメン!)の光学12倍ズームを搭載した『キヤノン パワーショットS3 IS』は、2006年4月に発売された、ちょうど4年前のモデルである。4年前を「昔」と捉えるか「最近」と捉えるかは、人によって変わってくるだろうが、モデルチェンジが早いコンパクトデジカメでは「かなり昔」という印象を受ける。撮像素子の有効画素数は約600万画素だし、液晶モニターのサイズは2.0型だし、最高感度はISO800だし…。でも、それらの数値は今でも実用的には“イイ線”だと思うし、動画も含めた撮影機能や操作性も悪くない。それに、全体的に丸みを帯びたボディフォルムには、次モデルの「S5 IS」とは違う“優しさ”が感じられる。いや、単なる感じ(イメージ)だけじゃなくて、手にした時の感触とか、収納性とかの面でもイイ感じなのよ。

 まあ、広角側の物足りなさ(画角)は隠しようがないけれど、そのあたりはソニーのサイバーショットDSC-WX1のような“広角側に強いスリム機”と組み合わせる事で解決できそう。24~120ミリ相当のカメラ+36~432ミリ相当のカメラ…。うん、悪くない組み合わせだナ。

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レンギョウの花を望遠端で切り取る
◆キヤノン パワーショットS3 IS 432ミリ相当で撮影 絞り優先オート F3.5 1/400秒 WBオート ISOオート