<カメラ内RAW現像>
パソコンよりもずっと高速で快適な「一括現像」は利用価値大だ!
撮影後補正はもちろん、容量や連写を考えた積極的な使用にも活用したい
地味な機能ではあるがカメラ内RAW現像機能もD850では強化されているもののひとつ。特に複数コマ選択や全画像選択での同時現像もでき、その現像にかかる時間もパソコンで処理するよりかなり高速だ。
設定できる項目は従来と同じく9つと変わらないが、オートホワイトバランスやピクチャーコントロール、JPEGの画質の選択肢は過去最大になっている。
活用法としては、例えば撮影時にRAWのみの設定にしておけば、撮影枚数などの容量の面でも、あるいは連写コマ枚数などの面でも優位になる。JPEGが欲しい場合は時間が空いたときに、露出などに問題がなければ撮影時設定のまま一気に現像してしまうなんていう使い方もできる。RAW+JPEG分割記録にしておけば、片方のカードにJPEGのみを一気に書き出すことも可能だ。
ただし、ファイル名が変わってしまう、コマ選択した場合、現像後に元の画像にすぐ戻れないなどのもどかしい点があるので、このあたりはさらなる改良を望みたいところ。
カメラ内RAW現像で手軽により美しい仕上がりが楽しめる
実はこの企画で最初にテスト撮りしたカット。補正を忘れて全体がアンダー目だったので、カメラ内RAW現像でザーッと選んで+1.3して一括現像。NX-Dで現像するよりもずっと短時間で簡単に現像できた。ある程度の露出はリカバーできるし、WB設定の調整などできることは多い。
ニコン D850 AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED 絞り優先オート F1.4 1/2500秒 ISO100 WB:オート0
カメラ内RAW現像の手順
1. 画像選択から
2. 現像する画像を選択
3. 調整項目を設定
4. 現像を選ぶ
複数カットを同じ条件で補正するならば、非常にラク。まずカットを選んだら、一番最初のカットがプレビューされるので、それを見ながらRAW現像の項目を選んで調整。最後に[現像]を選んでOKを押せば下の表示になる。
D850は一括現像が便利
処理される枚数が表示されるのでOKを押せば現像処理が行なわれる。処理中は進行のインジケーターが表示されるが、このくらいの枚数であればあっという間。とにかく高速なので、便利に使いこなしたくなる機能だ。
<結論>
高性能フルサイズ一眼レフD850はじっくり使える高機能・高性能をフル搭載した傑作機だ
これだけの高画素機となると、重厚でシビアで使いづらいのかと思いきや、実はフットワークを生かせる機動力の高いカメラであるとあらためて認識。連写機能、AF追従力は高速連写機に次ぐほどのパワーを見せつつ、圧倒的な高画質は、撮る者にとっては非常に魅力の高いカメラだ。ファインダーの見えも素晴らしく、一眼レフならではのいいところが凝縮されている。ミラーレス機が挑んできてもゆるがないアドバンテージと迫力を感じる存在だ。
〈写真・解説〉増田賢一 〈モデル〉斉藤明日美(シェリーズ・エンタテインメント)