モータードライブでの高速化を前提にしたニコン初のハーフサイズカメラ
1960 ニコン S3M
ニコンS3Mが発売されたのは、1960年のことである。この機種はニコンで唯一のハーフ判(24×18㍉)のカメラだ。他のSシリーズやFのモータードライブが3~4コマ/秒のコマ速であったのに対して、ハーフ判にすることにより6コマ/秒の高速連続撮影を実現した、電圧を上げれば9コマ/秒も可能であったという。モータードライブは、専用のS72が装着できる。画面サイズの変更に伴って、ファインダーとフィルムカウンターがニコンS3と異なっている。
ハーフ判用の縦型ファインダーとフレーム切り換えレバー
ハーフ判なのでファインダーフレームも縦長だが、S3のように35、50、105ミリのレンズに対応したアルバダ式のフレームが設けられている。S3のように3つのフレームが常時出ているのとは異なり、接眼部のスライドレバーで1つずつ切り換えてフレームを表示するようになっている。
軍艦部とフィルムカウンター
フィルムカウンターは、S3と同様に自動復元式で、72枚までの数字がある。ただ、1コマごとに目盛が1つ進むのではなく、2コマ撮影すると1目盛進むという変則的な動きをする。 S3の機構をそのまま流用したため、こうなったのだろう。