2018.6.19 勝ち越しに喜びを爆発させる日本選手
グループステージのコロンビア戦。後半28分に、コーナーからのセンタリングを大迫勇也選手がヘディングゴール。執念の勝ち点3をもぎ取った。距離があったが、EF400mm F2.8L IS II USMはキレのある描写で大迫、長友選手らの表情を鮮やかに切り取ってくれた。
キヤノン EOS-1D X Mark II EF400mm F2.8L IS II USM 絞りF2.8 1/1600秒 ISO400 WB:オート
カメラバッグの中を拝見!
2018ワールドカップ ロシア大会の主要機材
勝負レンズとして400mmを主軸に、300mmをスーパーサブとして控えさせ、16mmから200mmは大口径Lズーム、いわゆる大三元で固めた “ワールドカップ” 用の布陣とした。EF70-200mm F2.8L IS II USMはサッカーに限らず、なくてはならないレンズで、III型が待ち遠しい。バッグの中仕切りを省き、ポーチ類を活用することで収納力をかせいだ。
〈カメラ〉 EOS-1D X Mark II(3台)/ EOS-1D X(1台) 〈レンズ〉 EF16-35mm F2.8L III USM / EF24-70mm F2.8L II USM / EF70-200mm F2.8L IS II USM / EF300mm F2.8L IS II USM / EF400mm F2.8L IS II USM / エクステンダー EF1.4×III 〈その他〉 スピードライト 600EX II-RT / スピードライト 270EX II / CFast(64GB×2 枚)/ CFカード(16GB×4枚、8GB×4枚)/ ノートPC /カメラバッグ(シンクタンクフォト×2)/ 一脚(ジッツォ)/ リモートコントロール機器
取り回しや携行しやすさも◎ 長期取材だからわかる良さ
長丁場取材、しかも海外ならではの苦労はどこにあったのだろうか。
「撮影位置が限定されてしまうなど、取材そのものは想定内ではありましたが、やはり航空機によるロシア国内の移動が大変でした。それぞれ直にスタジアムの町に向かえるわけでなく、基本的には一度モスクワ経由になるため、乗り継ぎのストレスが少なからずあった。そうしたなか、EF400mm F2.8L IS II USM は超望遠としては割と軽いですから、トータルで助けられました。機材の軽さは大切なスペックですよ」
そして、ついに7月3日。運命の日が訪れた。“赤い悪魔” と称されるベルギーと日本との決勝トーナメント1戦目だ。
「正直、とても期待をしていました。ベスト8が目標とかはまったく考えていなかった。ただ常に、自分の目の前で(劇的な得点や歴史的な勝利を)“決めて” くれないかなとは思っていました(笑)。冷静だったと思いますが、胸の奥底で、ずっとお祭りの中にいるような高揚感がどこかにありました」
やがて、日本代表の大舞台も終幕を迎える。2点を先取しながらも逆転を許し、敗戦を喫した日本代表。しかしながら、日本サッカーの “現在地” を全世界に示したことは間違いない。その一翼を大森さんたちの写真が担っている。
「今後、国際的イベントが続きます。ラグビーW杯はメンバーに入れるかわかりませんが、願わくば参加したい。2年を切った東京五輪では公式通信社のフォトグラファーとして、今まで培ってきた全てを出し尽くしたいと思います」
2018ワールドカップ ロシア大会を追い続けたレンズ
EF400mm F2.8L IS II USM
色収差をほぼ完全に取り除くことができる蛍石レンズ、フレアやゴーストを高レベルで抑制する特殊コーティングSWCなどを採用し、高解像で高コントラストな描写を実現。手ブレ補正機構ISは、露光中のみ手ブレ補正を行い、スポーツ撮影をサポートする「モード3」を搭載している。
製品ページ https://cweb.canon.jp/ef/lineup/super-tele/ef400-f28l-is-ii/index.html
2018ワールドカップの取材
決勝後のセレモニーはなんとドシャ降りに。宴のあとのような高揚感と寂寥感が入り混じったピッチでの1コマ。機材の防塵・防滴性が高く、カバーやタオルでガードしていたとはいえ、帰国後にはメンテナンスを依頼した。写真左隣も共同通信社の写真記者。移動のコーディネーター役も担ってくれた。
共同通信の報道写真ギャラリーサイト「BEHIND」
1つのニュースに添えられる写真は数枚だが、実際にはカメラマンは現場で数多くのシーンを撮影している。「BEHIND」は、これらの写真をより多くの方の目に触れる機会を創出するために開設された。フィギュアスケート、サッカー、野球、相撲など、スポーツを中心に数多くの写真が掲載されている。興味のある方は一度覗いてみよう。
http://behindphotos.com
プロフィール
共同通信社ビジュアル報道局 写真部 大森裕太さん
1982年、東京都出身。物心ついたころより祖母の形見の一眼レフで遊ぶ。大学は写真学科へ進み、ゼミの先生の影響で報道やドキュメント写真に興味を抱く。東京スポーツ新聞社を経て、2014年に共同通信社入社。大阪支社に配属される。2018年2月、東京本社に異動。プライベートではもっぱら家族を撮影。趣味はスノボ、サーフィン、フットサルなど。
2018 FIFAワールドカップ(2018年6月14日~7月15日)
〈協力〉東京写真記者協会 〈取材執筆〉金子嘉伸 〈取材撮影〉山田高央 〈動画撮影〉青柳敏史 〈動画編集〉我妻慶一