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こだわりのボケと高い描写力の「オリンパス 25mm F1.2 PRO」で香港の光と影をリアルにスナップ

PROシリーズの大口径標準レンズ「25mm F1.2 PRO」と「OM-D E-M1 Mark II」をバッグに詰め、灼熱の香港へ出掛けた。高い解像力と美しくにじむボケが旅スナップを楽しくしてくれる。

オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
35mm判換算50mm相当で、被写体を素直に切り取ることができるため、スナップには欠かせない焦点距離のレンズ。美しいボケと高い解像感を両立した “F1.2 PRO” シリーズ。
希望小売価格:165,000円(税別) レンズ構成:14群19枚 最短撮影距離:0.3m 最大撮影倍率:0.11倍(35mm判換算0.22倍相当) 絞り羽根:9枚(円形絞り) フィルター径:62mm 大きさ:最大径70×全長87mm 質量:410g

 

立体感のあるボケ描写が香港の街を高品位に描く

夏の香港はとにかく暑い。湿度が100%になることもあるくらいの異常な蒸し暑さだ。今回はできる限り身軽な装備にしたいと思い、OM-D E-M1 Mark II と 25mm F1.2 PRO のみで香港を訪れた。グリップがしっかりしている E-M1 Mark II と合わせると、バランスが良く撮影しやすい。そして、ボディーとレンズともに防塵・防滴なので、スコールの多いこの時期でも安心して撮影に集中できるのは大きなメリットだ。

このレンズの最大の魅力はやはり「にじむような美しいボケ」だろう。F1.2の大きなボケだけでなく、ボケの質にもこだわっている。アウトフォーカスした被写体の輪郭を馴染ませるようにぼかすことで、被写体がグッと浮き立つように際立ち、立体感のある写真に仕上げてくれる。

 

高い描写力とアートフィルターで幻想的な光と影をイメージどおりに

寺院に朝日が差し込み、線香の煙で光芒となっていた。この美しい情景をより幻想的に仕上げたいと思い、アートフィルターのラフモノクロームを使用。PROレンズの描写力と黒が締まったモノクロ表現により、光芒が際立つ印象的な一枚になった。

(C)コムロミホ
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO アートフィルター(ラフモノクローム) 絞りF1.2 1/200 秒 −0.7 補正 ISO200 WB:オート

 

気持ちのいいボケ描写が何気ない瞬間を際立たせる

香港を訪れると必ず撮影する朝の市場。F1.2の「にじむような美しいボケ」により、背景がうるさくならずに、麦わら帽子のおばさんの後ろ姿が際立つ写真となった。25mm F1.2 PROの美しいボケが、何気ないワンシーンをドラマチックに仕上げてくれる。

(C)コムロミホ
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/320 秒 ISO200 WB:日陰

 

 

 

シャープな旅スナップを開放で楽しめるPROレンズ

開放F1.2の「美しくにじむボケ」だけでなく、ピント面の高い解像力にも注目したい。絞ればシャープになるレンズはたくさんある。しかし、このレンズは開放からシャープな描写を実現している。解像力が落ちやすい最短撮影距離付近においても同様だ。被写体によっては絞り込みたいときもあるが、絞り込むのがもったいないと感じてしまうレンズである。これまで街の雰囲気や被写体の質感をよりリアルに伝えるために、シャープなレンズを選ぶことが多かった。25mm F1.2 PRO はまさに私好みのレンズといえる。

ボケの美しさと高い解像力を楽しむため、できるだけ開放で撮影したいが、日差しの強い日中や逆光シーンでは露出オーバーになりやすく、絞り込むかNDフィルターを使用する必要がある。しかし、OM-D E-M1 Mark II の電子シャッターを使用すれば、1/32000秒までの超高速シャッターが切れるため、手軽に開放F1.2の撮影が楽しめる。

また、夕景や夜景においても、F1.2の明るさを利用すれば、ISO感度をあまり上げなくてもシャッター速度を稼ぐことができ、高感度ノイズを気にせず夜のスナップを楽しめる。さらに E-M1 Mark II のボディー内5軸手ぶれ補正を利用すれば、5.5段分の強力な手ぶれ補正効果のお陰で手持ち撮影の範囲がグッと広がる。

明るい日中から夜景まで開放F1.2の描写性能が楽しめる 25mm F1.2 PRO と E-M1 Mark II の組み合わせは、旅スナップに最強だ。

 

被写体に寄って解像感と滑らかなボケを楽しむ

最短撮影距離でもピント面の解像感が落ちることなく、ピントを合わせた「福」の文字をしっかりと表現している。そして、ピント面から大きなボケへとアウトフォーカスしていくグラデーションもとても滑らかだ。

(C)コムロミホ
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/400 秒 +0.7 補正 ISO200 WB:晴天

 

PROレンズが捉えた日常の光景にアートフィルターをプラス

店じまいをする姿をカッコよく表現したいと思い、アートフィルターの「ブリーチバイパス」を使用した。厳しい光の条件を捉えきるレンズ性能とアートフィルターにより、水撒きをする男性の姿を勇ましく仕上げることができた。

(C)コムロミホ
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO アートフィルター(ブリーチバイパス) 絞りF1.2 1/640 秒 -0.3補正 ISO200 WB:晴天

新アートフィルターで旅スナップを印象的に

オリンパス OM-D E-M1 Mark II
E-M1 Mark IIのファームウェアをバージョン2.0 にアップすることで「ブリーチバイパス」が追加される。液晶モニターで確認しながらフィルター効果を選択できるため、イメージを作り込みやすい。

 

高いAF性能が旅先で出会った撮りたい瞬間を逃さない

奥のおじさんを撮影していたら、ネコがひょっこりと顔を出した。一瞬の出来事だったが、素早いAFのお陰で、撮りたい瞬間を逃さず撮影できた。被写界深度が浅いレンズで、しかも絞り開放からの素早く正確なAFが心強い。

(C)コムロミホ
オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO × コムロミホ
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/1000秒 -0.3補正 ISO200 WB:日陰

 

開放F1.2+電子シャッターで逆光シーンをドラマチックに

水面をぼかして立体感を出したいと思い、ローポジションで撮影。太陽の光が明るく、露出オーバーになりやすいシーンだが、1/32000秒の超高速シャッターのお陰で、開放F1.2で撮影できた。ゴーストやフレアもなく、逆光性能も良好だ。

(C)コムロミホ
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/32000秒 +0.7 補正 ISO125 WB:9000K

強力な手ぶれ補正が夜の撮影を支える

オリンパス OM-D E-M1 Mark II
E-M1 Mark II はあらゆる種類の手ぶれを補正する「ボディー内5軸手ぶれ補正」を搭載する。5.5段分の補正効果が得られ、レンズ内手ぶれ補正と組み合わせた「5軸シンクロ手ぶれ補正」では最大6.5段分を実現している。

 

賑わう市場の情景を手持ちでスナップ

夜の市場を通り抜けるトラムを切り取った。開放F1.2の明るさとボディー内5軸手ぶれ補正のお陰で、ISO200で撮影することができた。夜のスナップでもレンズ性能を生かして高精細に表現できるのは嬉しい。

(C)コムロミホ
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/30秒 -0.7補正 ISO200 WB:晴天

 

 

〈写真・解説〉コムロミホ
〈協力〉オリンパス株式会社