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オリンパス「45mm F1.2 PRO」のこだわりのボケとシャープな描写でポートレート撮影がもっと楽しくなる

写真ジャンルの中でもポートレートはレンズのボケ特性を最大限に生かすことができる被写体。そして味のあるボケ描写は、絞り開放で撮影するのがいちばん面白い。そのボケ描写をここで紹介したい。

オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
扱いやすい大きさに、シャープさと柔らかいボケ描写を両立させた秀逸な光学性能、そして信頼性の高い作り。AF、MFの切り替えがフォーカスリングの前後操作で素早くでき、高い近接性能に加えてデジタルズームを併用すれば味のあるネイチャーフォトまで撮れる。この“F1.2 PRO”シリーズの魅力は、オリンパスユーザーのみが楽しめる特権である。
希望小売価格:165,000円(税別) レンズ構成:10群14枚 最短撮影距離:0.5m 最大撮影倍率:0.1倍(35mm判換算0.2倍相当) 絞り羽根:9枚(円形絞り) フィルター径:62mm 大きさ:最大径70×全長84.9mm 質量:410g

 

ボケまでキレイと言わせる真のポートレートレンズ

ポートレートの撮影は、ただシャープなだけのレンズでは味気ない。シャープさに加えてボケ描写のキレイなレンズで撮影すると、その良さはモデルの女性にも伝わる。撮影直後、にじんだアクセサリーのボケを液晶モニターで見せると即座に「キレイ!」と返ってくる。女性をキレイに写せ、ボケまでキレイと言わせるレンズ。これが真のポートレートレンズである。

フォーカスを合わせたところは克明に写し、そこから後ろに少しずつにじむようにぼけていき、そして柔らかい後ボケが女性を心地よく浮き上がらせる。それがこの「45mm F1.2 PRO」で、このような描写こそ、解像力だけではない、まさに撮影する心を豊かにしてくれる写真レンズの理想である。

 

開放F1.2の中望遠がアップ気味のポートレートのボケを心地良く再現する

フォーカスを合わせたまつ毛のシャープさ、わずかに微ボケになったイヤリングのにじみ、柔らかくぼけていくネックレス、そして圧倒的な後ボケ。この滑らかなボケ描写と解像感のバランスがポートレートの撮影を楽しいものにしてくれる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/30 秒 +0.3補正 ISO800 WB:晴天

 

全画面均一なシャープさと上質なボケ描写を両立

画面の隅まで、くっきりと写し込まれた壁や蔦の葉に、同じフォーカス面に収まった女性の髪の毛。これらをリアルに再現した質感に対して徐々にぼけていく衣装と後ろの柔らかいボケ。シャープさとボケ描写を高度に両立した、まさにポートレートレンズの傑作。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/1000秒 -0.3補正 ISO200 WB:曇天

 

にじむボケは、柔らかい後ボケへとつながっていく

一般にボケ量が少ないときの背景にはレンズのボケ特性が顕著に現れるが、この後ボケには強烈な点光源がないものの、とても柔らかい。フルサイズよりもぼける量は少ないものの、ボケ描写で大切なのが「量より質」であることがこの写真からわかる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/5000秒 -0.3補正 ISO200 WB:晴天

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
人物のシャープさと、そのすぐ後ろのにじんだ微ボケの柔らかさ、そして背景のボケの心地よさ。レンズのボケ描写をシャープさの先にある性能とすれば、これこそが豊かな光学性能と言えよう。

 

 

 

芳醇な写りをもたらす「豊かな描写性能」

写真レンズの描写性能を形容する言葉はいろいろあるが、この「45mm F1.2 PRO」はどうだろう? シャープさとにじみを伴った柔らかいボケ描写を両立し、逆光に強くて近接性能も高く、口径食は少なく、色収差もよく補正されていてボケに色が付かない……。とても一言では表せないため、思い付いた言葉が「豊かな描写性能」。これ以上の言葉は考えても出てこない。

ここに加わるのが「OM-D E-M1 Mark II」の魅力。45mmでも手持ちで1秒というスローシャッターで撮影できる強力なボディー内5軸手ぶれ補正。また撮影時のホールディングは単焦点レンズ故にフォーカスリングを持つことになるが、このリングの前後操作で即AFとMFの切り替えができる使い勝手の良さも光る。

ミラーレス機ならではの広いAFエリアと高速AFによる小気味良い快適な撮影。瞳優先AFによって確実な構図の中にピタリとフォーカスが得られるのもありがたい。

これまでマイクロフォーサーズ機でいろいろ撮影してきて最近気付いたメリットがある。それがアスペクト比。デジタル一眼で撮影した写真の鑑賞方法はいろいろあるが、究極はプリント。アスペクト比が3対2のカメラよりも4対3のマイクロフォーサーズ機のほうが、プリントするときのトリミングの自由度が、より高い。

「45mm F1.2 PRO」をはじめとする “F1.2 PRO” シリーズと「OM-D E-M1 Mark II」は、まさにポートレート撮影に最強の組み合わせである。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II+M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO

 

逆光にも強いクリアな描写で、光を感じるポートレートもキレイ!

晴れた日のポートレートは髪の毛が輝く逆光で撮影することが多い。太陽の位置によってはゴーストやフレアに悩まされるが、そんなシーンでもこのレンズは心強い。締まりのあるシャドー部からレンズの抜けの良さがわかる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/1000秒 -0.3 補正 ISO64 WB:晴天

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
■逆光でもクリアな描写を実現した Z Coating Nano
光がガラスに入射するときに起きる反射は屈折率の差が大きいほど大きい。そこでレンズコーティングの表面に空気に近い屈折率の層をナノサイズの粒子で作り、反射光を減らし、逆光性能をより高めたコーティング技術。

 

にじむボケは絞りが開放のときに最高に発揮される

この写真はF1.2の開放で、髪の毛と衣装の手前部分にフォーカスを合わせたもの。そこでネックレスは後方微~小ボケになり、にじむようにぼけている。後ボケの柔らかさを含め、ここに「45mm F1.2 PRO」のボケ描写の良さが現れている。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/2500秒 -1補正 ISO64 WB:オート

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
オリンパスの“F1.2 PRO”シリーズは球面収差をほぼゼロにしたうえで開放付近の光線のみ後ボケがにじむように独特の補正をしている。したがってそのにじみは開放で最高に発揮され、少し絞るだけでそのにじみは減少していく。

 

ポートレートのAF撮影で欠かせない瞳優先AF

AFによるポートレート撮影では測距点を目の位置にセットするのが原則だが、これが構図でミスを犯すことにもなる。このようなときに瞳優先AFは重宝する。構図を決め、シャッターボタンを半押しすると手前側の目にフォーカスを合わせてくれるが、右目左目を指定することも可能。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/800 秒 -0.7補正 ISO64 WB:オート

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
■複数の設定画面から素早く設定できる瞳優先AF
瞳優先AFの設定はAFエリア選択の画面でも可能だが、上の写真のようにスーパーコンパネ画面からでも可能。そして瞳優先AFで撮影した再生画面では、その目のところに緑のマークが表示される。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸

 

ポートレート撮影で常に最上の結果を出してくれる名ボディと名レンズ

室内の自然光による手持ち撮影。シャープなのはもちろんフォーカスを合わせた目から後方が徐々にぼけていく様、そして画面の周辺ながら自然に柔らかくぼけている背景など、この「45mm F1.2 PRO」による撮影はすべてにおいて満足感を与えてくれる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO × 馬場信幸
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 絞り優先AE F1.2 1/20秒 ISO800 WB:3200K
 

 

〈写真・解説〉馬場信幸
〈モデル〉さわい えり(シャノワール)
〈協力〉オリンパス株式会社