ニコンZシリーズ用の大口径標準ズーム「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」と開放F4の超広角ズーム「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」が登場。風景撮影に欠かせない2本のズームをフィールドへ持ち出した。高画質&コンパクトなズームがZシリーズの魅力をさらに広げる。今回は「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」についてレポートする。
卓越した画質性能と小型化を追求、逆光に強い大口径標準ズーム
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
[発売日]2019年4月19日 [希望小売価格]305,500円(税別) [マウント]ニコン Zマウント [焦点距離]24〜70mm [最大絞り]F2.8 [最小絞り]F22 [レンズ構成]15群17枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ4枚) [絞り羽根枚数]9枚(円形絞り) [最短撮影距離]0.38m(ズーム全域) [最大撮影倍率]約0.22倍 [フィルター径]φ82mm [サイズ(最大径×長さ)]約φ89×126mm [質量]約805g
朝夕の太陽を捉えるようなシーンにおいて、Fマウントの「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」では虹色のゴーストが目についたが、「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」はゴーストのないクリアな仕上がりである。ゴースト特性のよい「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」と比べても、アルネオコートの効果が感じられるほどだ。
また、ボケを生かした花撮影や星空の撮影で開放F2.8の威力を実感することができた。特に点光源の星空では像の乱れが目立ちやすいが、中心から周辺部に至るまで均一な描写を見せてくれ、絞り開放から安心して使用できる。
太陽を入れた構図に強いアルネオコート
Fマウントレンズでも実績のある「ナノクリスタルコート」に加えて、新開発「アルネオコート」を採用。レンズ面に垂直に入射する光に対する反射防止効果が一段と向上した。
■ドラマチックな逆光風景をクリアに捉える
広角24mmで太陽をワンポイントにして眼下に広がる雲海を撮影した。強烈な光にもかかわらず、まったくゴーストやフレアは出ず、逆光耐性の強さが感じられる。青空と白い雲をメリハリのある描写で捉えられた。
ニコン Z 7 NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 絞り優先オート F16 1/200秒 −0.7補正 ISO100 WB:5000K
■ピント面のキレと大きなボケ描写が楽しめる
望遠70mmで捉えたしだれ梅。絞りF2.8で前後の梅の花を大きくぼかし、大口径レンズらしい描写を楽しめた。近距離からの撮影でも合焦部の解像感は高く、キレのある描写でしべや花びらを描き出してくれた。
ニコン Z 7 NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 絞り優先オート F2.8 1/400 秒 +0.3補正 ISO100 WB:5000K
■ココが便利!
コントロールリングで操作性がアップ
絞りや露出補正の操作をコントロールリングを使って素早く行なえる。絞り、露出補正、設定なしのいずれかを、カメラのカスタムボタンの機能で割り当てられる。
レンズ情報パネルで撮影情報を確認できる
撮影距離と被写界深度、焦点距離、絞り値を表示でき、DISPボタンを押すたびに表示が切り替わる。星を撮るなら無限遠、花を撮るなら近距離など、事前にピント位置を調整できる。
〈写真・解説〉深澤 武