機材レポート

【実写レポート】ソニー期待の超望遠レンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」をフィールド競技で試す

200万円近いハイクラスレンズ「FE 600mm F4 GM OSS」でも撮影してみた

ちなみに、「FE 600mm F4 GM OSS」(受注生産/2019年7月下旬より順次出荷予定)でも撮影してみたが、600mm F4としては驚異的に軽いとはいえ、FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSの約2,115g(三脚座除く)に対し、FE 600mm F4 GM OSSは3,040gと約900gほどの重量差がある。

▲α9+FE 600mm F4 GM OSSの組み合わせでも撮影

 

▲FE 600mm F4 GM OSS(上)とFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(下)のサイズ比較

 

その重量差のぶん、レンズを振るタイミングが遅れ、選手の動きに微妙についていけず、特に走り高跳びでは選手を画面中心から大きく外してしまうカットが多発。しかも、開放F値がF4と明るいので被写界深度は浅く、無謀にもFE 200-600mm F5.6-6.3 GM OSSよりも近づいて、よりタイトな構図で狙ったため、狙いどおりに撮れた!と思ったカットも、選手の顔ではなく、胸のあたりにピントが抜けてしまい、大惨敗。

 

α9の顔検出とリアルタイムトラッキングで、ジャンプする少し手前まではしっかり選手の頭にピントが合っているのだが、ジャンプする直前に後ろ向きになると顔認識やリアルタイムトラッキングが解除され、通常のフォーカスエリアモードに戻ってしまうため、ワイド(自動選択)だと画面中央にピントが合ってしまいやすい。自動追尾AFが解除されたときに備え、ジャンプ中の選手の顔が来る位置を予想して、あらかじめフレキシブルスポットの枠を設置しておくなど、このクラスのレンズで最高の瞬間を狙うには、まだまだ撮影者の技量が大きく問われるようだ。次の1枚はなんとか撮影に成功したカットだ。

画質については、この価格(希望小売価格:税別1,795,000円)のレンズが悪いはずもなく、開放からキレキレの描写。色滲みもなく、ハイライトの反射にもパープルフリンジも生じていない。見かけが大きいぶん、手にしてみると驚くほど軽く感じ、サンニッパよりも少しだけ重いくらいの感覚だ。大口径超望遠レンズとしては信じられない軽さで、これなら一脚や三脚がなくても手持ちでも十分撮影し続けられる。ボクの財力では、宝くじが高額当選でもしない限り買えない価格だが、野鳥や軍用機などなかなか近くに寄れない被写体を本気で撮影する人にとっては、長期分割払いしても手に入れたいレンズだろう。

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