シグマ初のキヤノンEF-Mマウント用レンズを開発発表
3本の新製品レンズに加えてシグマとしては初となる、キヤノンEF-Mマウントの交換レンズの開発もアナウンスされた。それは、「16mm F1.4 DC DN」「30mm F1.4 DC DN」「56mm F1.4 DC DN」の3本。いずれも現行のContemporaryラインの製品の対応マウント追加となる。今回は開発発表ということで、発売時期などは未定だ(2019年秋頃発売を目指して開発中とのこと)。
▲シグマ初のEF-Mマウントレンズ。3本とも現行レンズのEF-Mマウント仕様だが、いずれも大口径で画質も優秀。EOS Mユーザーは要注目だ。
キヤノン EOS Mシリーズは、小型のミラーレスカメラとして最近人気だが、エントリーユーザーが中心のためか、純正の交換レンズはまだまだ少なく、F1.4クラスの大口径単焦点レンズはEF-M32mm F1.4 STMのみで、ほかはアダプターを介してEFレンズを使う必要がある。それだけに、ミラーレスに特化した高性能レンズの登場は、小型・軽量なEOS Mシリーズの魅力をさらに高めてくれるはずだ。
ビンテージレンズを再現した新たなシネ用レンズシリーズ
今回の発表会では写真用レンズだけでなく、シネ用レンズについても「ビンテージルック」と呼ばれる、新しいバリエーションのレンズの発表も行われた。これは、ノン・コートガラスを多用し、ビンテージレンズの持つ暖色系色調の再現を目指したレンズ。1950年代から60年代頃のビンテージレンズを最新のデジタルカメラで使うという最近のトレンドにシグマが最新の技術を用いて答えた製品だ。
会場ではサンプルムービーも上映されたが、シャープな写りでありながら逆光でフレアが盛大に発生するビンテージレンズらしい写りで、スチルでも使ってみたいと思わせるほど個性的なレンズだと感じた。「Classic Art Prime」と名付けられたシリーズで、同社の現行のシネレンズ10本のバリエーションとして用意されるとのことだ。
▲既存のレンズと基本的な仕様は同様とのことだが、ノン・コートレンズが採用されたことでTナンバーは、わずかながら暗くなる。ただし、F値は同様なのでボケの大きさは同じだ。鏡筒にある「Classic」の文字は、製造工場のある会津若松の特産品、会津漆器に用いられる蒔絵で描かれているという。
シネ用レンズは、写真用レンズに比べて価格が高く(シネ用としてはシグマ製レンズは低廉なのだが)、購買層は動画作家やプロが中心と思われる。とはいえ、写真用としても魅力的な描写なので、機会があったらぜひ使ってみたいシリーズだ。こちらも開発発表だったが、2019年のIBC(International Broadcasting Convention)で正式発表の予定とのこと。
【まとめ】実際の描写に大いに期待
2018年の9月にライカ、パナソニック、シグマの3社で「Lマウントアライアンス」による協業が発表されたが、今回、発売が発表された3本のレンズは、その成果の第一弾といえるレンズだ。
発表会では試作機を手にすることができたが、いずれも操作感に優れており、質感も非常に高い印象であった。それだけに、これらのレンズがどういった描写なのか、大いに期待したいところだ。
このほか、開発がアナウンスされたEF-Mマウント用レンズとシネ用レンズについては、既存のレンズのバリエーションではあるが、いずれもユーザーにとっては待望のレンズであり、ぜひ発売にこぎつけてほしい製品だ。