デジタル一眼レフの左手側(画面では右側)をそぎ落としたような独特なフォルム。でも、一眼レフよりも小柄なので、可愛らしいのよネ。前モデルのA2と比べると、内蔵ストロボの部分が、ずいぶん小さくなり“さっぱり”とした印象になっている。だから、より小さく感じられる。
ボクがコンパクトデジカメを買うのは、だいたい次の2パターン。発売前の情報から「欲しい」と思って指名買いするパターン。もうひとつは、店頭価格の安さに惹かれて衝動買いするパターン(もちろん、以前から気になっていた機種ではあるが)。今回取り上げる『コニカミノルタ・ディマージュA200』は、後者のパターンで購入したもの。そう、あれはコニカミノルタがデジタルカメラから撤退を表明した数日後の事。それまで8〜9万円台だった機種なのに、いきなり5万円弱だもんね。「これはもう買うしかないだろう!」って感じで買っちゃった。以上、2006年の1月の出来事。つい最近のような、そうでないような、微妙な日付ですなぁ…。
ディマージュA200の「最大の特長」と言えるのが、フリーアングルタイプの可動式液晶モニターを搭載すること。カメラのアングルやポジションの変化に、余裕を持って対応できるのだ。言うまでもなく「自分撮り」にも、絶大な威力を発揮する。
公園内の通路に、柵の影が長ぁ〜く伸びる。朝夕(これは夕)特有の光線が生み出す光景だ。その様子を、頭上までカメラを上げて、やや見下ろすように撮る。こんな撮影も、可動式モニターなら楽々!
ディマージュA200は、28〜200ミリ相当の明るい(F2.8-3.5)ズームレンズを搭載する、レンズ一体型のモデルである。う〜ん、「コンパクトデジカメ」と呼ぶには、微妙な大きさ&フォルムなんだよねぇ…。それでも、レンズ交換式のデジタル一眼レフと比べると、ずいぶん「小さい」という印象を受ける。実際に手に持つと、レンズ鏡筒の細さなどから、そういう印象を強く受けるのだな。
専用レバーをスライドさせて、マクロモードに切り替える。マクロモードに入れるのは、広角端と望遠側(望遠は端じゃなくて側。少し幅がある)だが、マクロ能力が高いのは望遠側。こちらの最短撮影距離は25cm(CCD面からの距離。レンズ先端からは13cm)で、広角マクロよりも寄れるのだ。
逆光に映えるクリスマスローズを、少し距離を置きながら望遠マクロで狙う。花の撮影では、広角側で寄れるよりも、望遠側で寄れた方がありがたいケースが多い。ちなみに、この場面でも、フリーアングルの液晶モニターが活躍した。
この28ミリ域をカバーするズームレンズなど、基本的な仕様やスタイルは、ミノルタ時代からのディマージュ7シリーズやA1やA2を継承している(A2はコニカミノルタだが)。それらと比較すると、A200のボディは高級感や存在感がちょっと薄い。だが、機能的に優れた部分もある。前モデルのA2などは、液晶モニターが上下方向に可動するが、A200の液晶モニターはフリーアングルタイプ。だから、カメラを縦に構えた場合や、カメラを反対に向ける“自分撮り”などにも対応できる。この自由度の差はけっこう大きいよ。
クレマチスの花を、望遠域でアップめに狙う。A200に搭載されるレンズは、ズーム倍率が高いだけでなく、開放F値が明るいのがGOOD。「手ブレ補正機能+望遠域が明るいレンズ」によって、シャープかつボケを生かした撮影が可能になる。
オシャレな柄で質感も高いテーブル&椅子を、広角28ミリで遠近感を強調して撮る。このカメラは広角端でもマクロ切り替えできるが、最短撮影距離は30cm(これはCCD面からの距離。レンズ先端からは21cm)と物足りない。
28ミリ相当までカバーする高倍率ズーム、フリーアングルタイプの液晶モニター。そして、手ブレ補正機能やMFやRAWモード撮影…。これらはボクが思い描く“理想の高機能コンパクト機”の条件である。でも、現行機種の中には、これらの条件を満たすカメラは見当たらない。そう考えると、このディマージュA200は、限りなくボクの理想に近い高機能機なんだよネ。少し古い機種なので、不満に感じる点も多々ある。液晶モニターが1.8型と小さいとか、連続的に撮影する際のレスポンスが悪いとか、広角側マクロはあまり寄れないとか、バッテリーが保たないとか…。
小さな白いバラの群生を、望遠端の画角で切り取る。日没寸前の夕日(光)と影が、実に味わい深い。色再現がやや地味なカメラなので、カラーモードをビビッドに設定して撮影した。
でも、レンズ性能の優秀さ(特に近接撮影時)や、手動式のズームやフォーカスの操作フィーリングや、寄れる望遠側マクロなど、現行の高機能コンパクト機にも負けない部分もたくさんある。各種モードや数値等の組み合わせが5パターンまで登録でき、簡単に呼び出せる登録機能なども非常に便利! ちなみに、現在のボクの「ブツ撮り用のメイン機種」は、このディマージュA200なのだなー。
機構的に優れたフリーアングル式の液晶モニター。でも、サイズが1.8型と小さくて、明るい場所での視認性もイマイチ…。だからボクは、通常撮影では液晶ビューファインダーを覗いて撮ることも多い。その際には、こうやってモニターを閉じておく。その方がカメラは安定するし、モニターに鼻の脂が付くのも防げるから(笑)。