「NEX-7」ボディ+標準ズーム「E18-55ミリF3.5-5.6 OSS」。このズームレンズキットのみで販売される“ブラック仕様”の標準ズームがシブいね〜!
今回借用したNEX-7と交換レンズたち。画面右から…NEX-7+E18-55ミリF3.5-5.6 OSS、E16ミリF2.8、E50ミリF1.8 OSS、E55-210ミリF4.5-6.3 OSS、フィッシュアイコンバーターVCL-ECF1、ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1。
先日…そう、まだ桜の便りが届いてない頃、メーカーから『ソニー NEX-7』と交換レンズ群を借りることができた。以前、仕事で「NEX-5N」は使ったことはあるけど、NEX-7を使うのは初めてだ。
α77と肩を並べる高解像仕様…すなわち、有効約2430万画素「Exmor(エクスモア)」APS HD CMOSセンサーと、進化した画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ)」による描写性能はどんな感じだろうか!?(まあ、基本的にはα77と同じなんだろうけど) また、約235万ドットの「XGA有機ELファインダー」の見え具合や「Tri-Dial nAVI(トライダイヤルナビ)」の使い勝手はどうよ!? …などなど、いろいろ興味のつきないハイスペックミラーレス一眼だからねぇ、この「ソニー NEX-7」というカメラは。
でも、ボクが個人的に気になるのは、ボディの性能や仕様よりも、交換レンズまわりの充実度や描写性能だったりする(もちろん、ボディも気になるけど)。いま「交換レンズまわり」って述べたけど、今回借りた交換レンズ群の中では、レンズ先端に装着する2種類の「コンバーター」の描写や使い勝手が特に気になるんだよね〜。
2種類のコンバーターは、いずれも広角24ミリ相当のパンケーキレンズ「E16ミリF2.8」用に設計された製品である。倍率0.75倍の「ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1」を装着すると18ミリ相当の超広角の画角になる。そして、倍率0.62倍の「フィッシュアイコンバーターVCL-ECF1」を装着すると15ミリ相当の対角線魚眼レンズと同等の描写を得ることができる。
この2種類のコンバーターは、使い勝手や描写性能の前に、まず“E16ミリF2.8との一体感”に感心する。ホント、まるで“一本の交換レンズ”のようなんだよね。しかも、バヨネット方式による着脱が超快適!!
そんでもって、最短撮影距離が短縮化されるのもウレシイところ。E16ミリF2.8の最短撮影距離は0.24mだけど、ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1装着時には0.18mに、フィッシュアイコンバーターVCL-ECF1装着時には0.13mに短縮される。まあ、画角が広くなるので、最短撮影距離が短縮化されても撮影倍率が高くなるってワケじゃないけど、近くの被写体に対して「かなり踏み込めるなぁ」という実感はある。そう、E16ミリF2.8単体だと「あれ、もうこれ以上は寄れないの!?」って感じだったからねぇ。
NEX-7ボディ+E16ミリF2.8。そして、その横に置いているのが、16ミリ用に設計された2種類のコンバーターレンズ。手前が「フィッシュアイコンバーターVCL-ECF1」で、奥が「ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1」。この両コンバーター、前玉の大きさ(径)が少し違うくらいで、実によく似ている。
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27ミリ相当の画角(E18-55ミリF3.5-5.6 OSS)
24ミリ相当の画角(E16ミリF2.8)
18ミリ相当の画角(E16ミリF2.8+VCL-ECU1)
15ミリ相当の画角(E16ミリF2.8+VCL-ECF1)
◆共通データ:ソニー NEX-7 絞り優先オート F11 1/250秒 WBオート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
同じ撮影位置から、各レンズの画角を比較してみた。標準ズーム(E18-55ミリF3.5-5.6 OSS)の広角端「27ミリ相当」と、広角のパンケーキレンズ(E16ミリF2.8)の「24ミリ相当」の画角差は微妙かもなぁ…。だが、24ミリ相当と18ミリ相当(E16ミリF2.8+VCL-ECU1)の差はけっこう大きくなる。ということで、画角の違いに着目すれば、標準ズームと一緒に使うなら「E16ミリF2.8+VCL-ECU1」の組み合わせがイイかも。
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24ミリ相当(E16ミリF2.8)
18ミリ相当(E16ミリF2.8+VCL-ECU1)
15ミリ相当(E16ミリF2.8+VCL-ECF1)
◆共通データ:ソニー NEX-7 絞り優先オート F8 WBオート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
こちらの比較写真では、画角の違いよりも画質に注目してみた。正直なところ、E16ミリF2.8はさほど高画質なレンズではない。特に気になるのは“画面周辺部のアマさ”。だが、そのアマさ(像の乱れ)は絞りを十分に絞り込めば、かなり改善される。そして、2種類のコンバーターを装着した際の画質も、そのマスターレンズの性能がある程度反映される。ということで、画面周辺部まで安定した描写を得たいなら「F8」くらいまで絞り込みたい。
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E16ミリF2.8に「ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1」を装着した図。…いや、この一体感はホントにスゴい! 材質もレンズ同様に高品位だし。
ソニーNEXシリーズの場合、ボディの性能や仕様は満足度が高いけど、交換レンズ群の“ラインナップの不備”には不満を覚える人が多かったはず。まあ、最初(NEXシリーズは2010年デビュー)はE18-55ミリF3.5-5.6 OSSとE16ミリF2.8、それと高倍率ズームのE18-200ミリF3.5-6.3 OSSの3本しかなかったからねぇ…。
でも、昨年後半には望遠ズームのE55-210ミリF4.5-6.3 OSSや標準マクロのE30ミリF3.5Macroが発売されたし(望遠ズームとかは、最初から出てなきゃいけない製品だけどね)、今年に入ってからは、大口径中望遠のE50ミリF1.8 OSSとかも発売された。…と、レンズラインナップも徐々に揃いつつある。
ただし、広角域に関しては“まだ”なので、ロードマップ上で公表されている広角ズームの登場が待ち遠しい。ただし、広角ズームって望遠ズームほど「絶対に必要!」という感じのレンズじゃないから(もちろん、被写体や個人の好みにもよるけど)、ラインナップにあっても実際に買うかどうかは微妙(苦笑)。価格的にもお安くはないだろうし…。
その点、「ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1」や「フィッシュアイコンバーターVCL-ECF1」のような安価な専用コンバーターがあれば、気軽に“超広角や魚眼の世界”が楽しめる。だから、広角パンケーキレンズのE16ミリF2.8を持ってる人なら、どちらかのコンバーターは購入したいところ(もちろん、両方あればベストだけど)。そうねえ、ボクなら「ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1」を購入して、常にE16ミリF2.8に装着して“超広角専用レンズ”として使うだろうね。
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5.0型大画面のポータブルモニター「CLM-V55」も借りたので、動画撮影時に使用してみた(付属のシューアダプターを使用。接続はHDMIケーブルで)。どうよ、NEX-7に装着した際の“アタマでっかち”ぶりは(笑)。…でも、カメラを三脚に据えてじっくり録るなら、このアイテムはとても便利! 5.0型という画面サイズは、カメラの液晶モニターとはひと味違う“観賞する”という感覚が得られるし、折り畳み式のフードも屋外使用時には、かなり有効だからねー。
青空に映える白梅を、望遠ズーム「E55-210ミリF4.5-6.3 OSS」で撮影。望遠特有の引き寄せ効果&ボケ効果がイイ感じ。ちなみに、ファイル記録方式はAVCHDで、撮影モードは1920×1080・60p(PSモード)。
【お詫びと訂正】
初出時に、2枚目の写真と3枚目の写真が逆になっておりました。
申し訳ございません。現在は修正いたしております。
読者の皆さまと吉森信哉さんにご迷惑をおかけいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
CAPAカメラネット