「NOKTON」の名を冠するフォクトレンダー製大口径レンズに新たな3本「50mm / 40mm / 35mm F1.2 Aspherical SE E-mount」が加わった。常用域をカバーするラインナップで、対応するソニーαシリーズユーザーは要チェックだ。
伝統的なレンズ構成を現代の技術で製品化
NOKTON (ノクトン) の名はF1.5より明るいレンズに与えられるが、新たに発売された3本もすべて開放F1.2という明るさを誇る。35mmはVMマウントで、40mmと50mmはVMマウントとEマウントで同じスペックの製品が発売されており、製品名に付く「SE」は「スチルエディション」の頭文字。レンズ構成図に大きな変化はないが、コーティングの改良や進化する撮像素子への最適化が図られているはずだ。
今回3本とも実写したが、いずれも開放ではピントの合った部分を繊細に表現。そこからとろけるようにぼけていく。絞るとキレと緻密さが増し、6100万画素の「α7R IV」でも十分満足のいく解像感が得られた。5軸のボディ内手ブレ補正にも対応し、総金属製ながら400ｇ未満という点で、常用にもふさわしいレンズだ。
気持ちのいいMF操作で大きなボケを楽しむ
F1.2のボケは強烈。それゆえにMFでのピント合わせが気持ちいい。もちろんフォーカスリング操作による拡大表示にも対応している。
スチル撮影が心地よい絞りクリック
クリックの有無を切り替えられるレンズが多い。しかし、この3本は軽量化のためクリックありに限定。回すとトルク感とクリックが非常に心地よい。
ボケ表現が楽しめる大口径SEシリーズ
フォクトレンダー NOKTON 50mm F1.2 Aspherical SE E-mount
[発売日] 2020年7月23日 ［希望小売価格］ 115,000円 (税別) [マウント] ソニーEマウント [焦点距離] 50mm [レンズ構成] 6群8枚 [画角] 47.5° [絞り羽根枚数] 12枚 [開放絞り] F1.2 [最小絞り] F22 [最短撮影距離] 0.45ｍ [最大撮影倍率] 0.14倍 [フィルター径] φ58mm [サイズ (最大径×全長)] φ66.5×58.5mm [重量] 383ｇ [付属品] レンズフード
フォクトレンダー NOKTON 40mm F1.2 Aspherical SE E-mount
3本の中でもっともコンパクト。40mmという焦点距離も常用レンズとして使い勝手がいい。3本のうちどれを買うか迷ったら個人的にはこれをおすすめしたい。
[発売日] 2020年6月24日 ［希望小売価格］ 100,000円 (税別) [マウント] ソニーEマウント [焦点距離] 40mm [レンズ構成] 6群8枚 [画角] 55° [絞り羽根枚数] 10枚 [開放絞り] F1.2 [最小絞り] F22 [最短撮影距離] 0.35ｍ [最大撮影倍率] 0.16倍 [フィルター径] φ58mm [サイズ (最大径×全長)] φ66.5×51.9mm [重量] 340ｇ [付属品] レンズフード
フォクトレンダー NOKTON 35mm F1.2 Aspherical SE E-mount
2003年に初代が発売され、現在3代目となるVMマウントレンズがベース。ひときわ柔らかい描写には定評があり、Eマウント版の発売が熱望されていた。
[発売日] 2020年5月27日 ［希望小売価格］ 115,000円 (税別) [マウント] ソニーEマウント [焦点距離] 35mm [レンズ構成] 7群9枚 [画角] 61.9° [絞り羽根枚数] 12枚 [開放絞り] F1.2 [最小絞り] F22 [最短撮影距離] 0.3ｍ [最大撮影倍率] 0.17倍 [フィルター径] φ58mm [サイズ (最大径×全長)] φ66.5×59.9mm [重量] 387ｇ [付属品] レンズフード