GFレンズシリーズ12本目となる広角レンズが登場した。1億画素に対応する解像性能を備えながら、軽量コンパクトで軽快に撮影できる「GF30mmF3.5 R WR」の実力を紹介しよう。
GFXでスナップが楽しめる速写性に優れた軽量モデル
GFレンズに待望の広角レンズが登場した。これまでは23mm (35mm判換算 18mm相当) の超広角レンズしかなく、GF30mmは24mm相当の扱いやすい画角を備えている。
最初に触って驚いたのがAFの速さだ。私はストリートスナップを撮影することが多く、良い場面は一瞬ですぐに構図を決め、素早くピントを合わせシャッターを切る必要がある。GF30mmは自分の頭に思い描くとおりにレスポンス良く応えてくれた。また、鏡筒は長めのスタイルだが、レンズ自体は非常に軽く、今回使用した「GFX 50R」との相性が抜群で取り回しがよい。
あえて撮影条件の悪い場所で実写!
描写性能に関しては、今回は主に明暗差がある撮影条件の悪い場所を選んで撮影してみた。特に夜景撮影はレンズの善し悪しが一番わかりやすい。
歪みの少ない広角レンズで夜の街を緻密に描く
広角レンズを選ぶポイントはどれだけ歪みが抑えられているか。夜の街を撮影するとビルの歪みなどは違和感がなく、素直な描写をしてくれる。さらに解像性能が素晴らしく緻密な描写には目を見張る。
露出が難しい人工照明をイメージどおりに
照明に照らされた屋外階段。このような場面では露出が非常に難しく、オーバー寄りやアンダー寄りになることが多いが、このレンズは赤の描写やアンダー部分の写りが絶品だ。
ハイライトからシャドーまでシャープに再現
明暗差のある場所でビルを見上げて撮影。モノクロで捉えるとアンダー部分が潰れずに再現されているのがわかる。シャープな描写が得られ、パースも自然で気持ちがいい。
圧倒的な描写力で軽快に撮影できる
富士フイルムのカメラはフィルムシミュレーションを搭載しているのですべてJPEGで完結する。そのため現場でどれだけ色や光を追い込めるかはレンズ性能にかかっている。絞り込んだときの光芒のシャープさや光の出方などを注視して確認したが、わずか数ショットで仕上げることができた。
AFの速さとレンズの軽さ、そして解像感の高さを備えたこのレンズは、GFXユーザーにとって、常に持ち歩きたい常用レンズになりそうだ。
フィールドでも安心のタフネス性能
防塵・防滴・-10度Cの耐低温構造によるタフネス性能により、フィールドでも安心して撮影できる。また、AFの速さと静音設計により撮影していて心地よい。
高い描写力とコンパクトサイズを両立
球面収差や色収差を徹底的に抑え、圧倒的な描写力を追求しながら、携帯性に優れたコンパクトサイズを実現。ラージフォーマット用レンズとは思えない軽さで、気軽に持って出かけられる。
富士フイルム フジノンレンズ GF30mmF3.5 R WR 主な仕様
発売日 2020年7月22日
希望小売価格 227,000円 (税別)
マウント 富士フイルムGマウント
焦点距離 30mm (35mm判換算 24mm相当)
開放絞り F3.5
最小絞り F32
レンズ構成 10群13枚 (非球面レンズ2枚、EDレンズ2枚)
画角 84.7°
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 32cm
最大撮影倍率 0.15倍
フィルター径 φ58mm
サイズ (最大径×長さ) φ84×99.4mm
質量 約510g