今回借用した製品群。左から、望遠ズームレンズ「1ニッコールVR 30-110ミリF3.8-5.6」と、標準レンズ「1ニッコール18.5ミリF1.8」。そして、標準ズームレンズ「1ニッコールVR 10-30ミリF3.5-5.6」を装着した『ニコン1 V2』。
昨年末(大晦日)に更新して以来の更新になりますなぁ。いやぁ、間隔が開いて申し訳ないっ! 近年稀に見る”原稿漬けの日々”だったんだよねぇ、この1か月間は。年末年始で休めたのは「元日」の1日だけだったし(泣)。…そんな超ハードな時期も何とか抜けたので、またコツコツと本ブログの更新に勤しみたいと思っております。今後ともヨロシクお願いしますっ!!
さて、本年最初のネタは、昨年12月にメーカーから借用した『ニコン1 V2』である(昨年11月発売)。このカメラは、2011年10月に発売された「ニコン1 V1」の上位モデルにあたり、現在の「レンズ交換式アドバンストカメラ」シリーズの最上位モデルである。
レンズ交換式アドバンストカメラの特徴は、「CXフォーマット」と名付けられた13.2×8.8mm(1.0型)サイズの、撮像面位相差AFを搭載する「スーパーハイスピードAF CMOSセンサー」を採用している点である。そのCMOSセンサーを比較すると、ニコン1 V1のモノは「有効画素数1010万画素」だが、ニコン1 V2のモノは「有効画素数1425万画素」。この”撮像素子画素数の大幅アップ”は、ニコン1 V1からV2への大きな進化ポイントである。そして、画像処理エンジンも「EXPEED 3」から、「EXPEED 3A」へと進化。このCMOSセンサーと画像処理エンジンの進化によって、「どういう画質が得られるのか?」が、まずは気になってくる。
輪郭強調:3(SDデフォルト) |
輪郭強調:5 |
輪郭強調:7 |
輪郭強調:9(最大) |
◆共通データ:ニコン1 V2 1ニッコールVR 10-30ミリF3.5-5.6(10ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/500秒 WBオート ISO160 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) |
ニコンの「レンズ交換式アドバンストカメラ」以外で、13.2×8.8mm(1.0型)のセンサーを搭載するカメラとしては、昨年6月に発売された高級コンパクトデジカメ「ソニー DSC-RX100」がある。このカメラで採用されている”Exmor”CMOSセンサーは「有効画素数2020万画素」という高画素なモノで、画像処理エンジン「BIONZ」との連携により、非常に高精細な描写を実現している。
このソニー DSC-RX100は、ボクも所有していて常用しているが、その画質と比べると、今回のニコン1 V2で得られる画質は「悪くはないけど、DSC-RX100ほど高精細ではないな」という印象を持った。まあ、これにはカメラの画作り以外に、装着するレンズの性能とかも関係してくるけど…。ちなみに、上の4点の比較作例では「輪郭強調」の設定を変えているが、その効果でシャープ感は高まるが”精細感の向上”とはいかないのが残念なところ。また、輪郭強調を高くし過ぎると、被写体の輪郭部に不自然な”縁取り”も発生するので、ほどほどに設定するのが宜しいかと。そうねえ、シャープ感を高めたい場合でも、各ピクチャーコントロールのデフォルト(初期設定)かプラス2くらいでイイんじゃないかねぇ?
ISO感度の最高値は、ISO3200からISO6400に1段アップしている。…だけど、画質を考慮すると「風景ではISO800まで、スナップならISO1600まで」くらいになるかなぁ、ボク個人としては。
◆ニコン1 V2 1ニッコールVR 10-30ミリF3.5-5.6(10ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/25秒 WBオート ISO800 3072×4608ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆ニコン1 V2 1ニッコールVR 30-110ミリF3.8-5.6(57.2ミリで撮影) シャッター優先オート F4.2 1/125秒 WBオート ISO1600 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆ニコン1 V2 1ニッコールVR 30-110ミリF3.8-5.6(110ミリで撮影) シャッター優先オート F5.6 1/125秒 WBオート ISO1100 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
外観上の特徴としては、ニコン1 V1にはなかった内蔵フラッシュを搭載したことで、ファインダー上部の出っ張りが大きくなった点や、大きく張り出したグリップが設けられた点があげられる。この2点によって、ニコン1 V1とは印象が異なるカメラに変貌している。まあ、どちらが好みかは人によって違うだろうけど、このファインダー上部の出っ張り具合は、まるで「F3AF」のようで何だか懐かしい。収納時とかは邪魔になるけど(笑)。グリップが設けられた点も、人によって好みは分かれるだろうけど、機能的には間違いなく役に立っている。これによってホールド時の安定感は、かなり高まってくる。
操作性に関しても、ニコン1 V1とはかなり印象が異なる。コマンドダイヤルとFボタン(フィーチャーボタン)による「ダイレクト設定」ができるようになったことで、主要機能(ピクチャーコントロール、ホワイトバランス、AFエリアモード、フォーカスモード、ISO感度設定、測光モード)の設定が、かなり快適におこなえるようになった。まあ、モニター上での表示(配置)のバラツキや、機能を選択する際に一部ローテーションがイレギュラー的になるなど、違和感を覚える部分もある。それでも、ニコン1 V1のように”すべてメニューで選んで設定する”煩わしさが解消されたのは喜ばしい。ニコン1 V1だと、ホワイトバランス設定とかも、モニター上で効果を比較しながら選ぶことができなかったからねぇ。この「ダイレクト設定」が採用された点だけでも、ニコン1 V2を選ぶ価値があると思うよ。
◆ニコン1 V2 1ニッコールVR 10-30ミリF3.5-5.6(10ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/320秒 -1補正 WB晴天 ISO160 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆ニコン1 V2 1ニッコールVR 10-30ミリF3.5-5.6(10ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/200秒 WB晴天 ISO160 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆ニコン1 V2 1ニッコールVR 10-30ミリF3.5-5.6(10ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/60秒 -0.7補正 WB晴天 ISO200 3072×4608ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
ニコン1 V1とニコン1 J1が登場してしばらくは、交換レンズのラインナップが寂しかった。標準と望遠のダブルズーム、電動式の高倍率ズーム、それと広角の単焦点…この4本だけだったからなぁ。このレンズランナップの寂しさが、ボク自身イマイチ「レンズ交換式アドバンストカメラ」に興味が持てなかった点である。
しかし、ここにきて、レンズラインナップがけっこう充実してきた。広角ズーム、”電動式ではない”手頃な高倍率ズーム、”よりコンパクトな”標準ズーム、標準の単焦点…と、一気に倍増!! もちろん、まだまだ十分とは言えないけど、4本から8本とではぜんぜん違う。ちなみに、今回はF1.8の明るさが魅力の標準レンズ「1ニッコール18.5ミリF1.8」を借用したけど、こういった”一芸に秀でたレンズ”が1本あると、創作意欲も高まってくるし、表現の幅も広がってくるからね。
◆ニコン1 V2 1ニッコール18.5ミリF1.8 絞り優先オート F1.8 1/1000秒 WBオート ISO160 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆ニコン1 V2 1ニッコール18.5ミリF1.8 絞り優先オート F1.8 1/3200秒 -0.3補正 WBオート ISO160 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆ニコン1 V2 1ニッコール18.5ミリF1.8 絞り優先オート F2 1/800秒 WBオート ISO160 4608×3072ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)