機材レポート

キヤノン大三元レンズ「24-70mm F2.8」のミラーレス用と一眼レフ用を比べてみた【使い勝手編】

価格比較

RF24-70mm F2.8 L IS USM VS EF24-70mm F2.8L II USM
左がRF24-70mm F2.8 L IS USM、右がEF24-70mm F2.8L II USM

■RF24-70mm F2.8 L IS USM

2019年9月27日発売
希望小売価格 : オープン価格
実勢価格 : 284,000円前後 (税込)

■EF24-70mm F2.8L II USM

2012年9月6日発売
希望小売価格 : 230,000円 (税別)
実勢価格 : 194,000円前後 (税込)

※実勢価格は2020年9月時点、編集部調べ。

買うなら新品! 約1.5倍の価格差をどう考えるかだ

2020年9月中旬に調べたところ、「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の新品価格が284,000円前後。EF24-70mm F2.8L II USMは194,000円前後である。ミラーレス一眼用および一眼レフ用ハイエンドクラスの標準ズームレンズなので、どちらにしても高価なレンズといえる。

当然、中古なら安くなるのではと調べてみた。「RF24-70mm F2.8 L IS USM」が約27万円、「EF24-70mm F2.8L II USM」が15〜16万円程度とほとんど安くなっていない。この価格差であれば、筆者は多少納期が掛かって待たされても新品を購入する。買うなら新品だろう。

新品の「RF24-70mm F2.8 L IS USM」が約30万円、「EF24-70mm F2.8L II USM」は約20万円なので、価格差は約10万円。「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の方が約1.5倍高額だ。この点をどう考えるかが購入のポイントといえる。

 

最短撮影距離と最大撮影倍率

小山壯二氏が撮影した最短撮影距離と最大撮影倍率を見るための静物画チャートを被写体が実物大となるようにA2サイズでプリントアウト。このプリントアウトを最短撮影距離で撮影することで最短撮影距離と最大撮影倍率でどの程度のアップで撮影できるかを観察している。中心部には切手やペン、フォークなど比較的実物の大きさがわかりやすいものを並べることで、実際に撮影シーンでどのくらいアップで撮影できるのかをイメージしやすいよう配慮した。

RF24-70mm F2.8 L IS USM VS EF24-70mm F2.8L II USM

撮影条件 : 最短撮影距離で絞り優先AEにてF5.6で撮影 / ISO感度 : 100 / 露出補正 : +1.0EV / WB : オート (雰囲気優先) / ピクチャースタイル : スタンダード / JPEGラージ / ファイン / その他 : レンズ光学補正などはカメラ (EOS R) の初期設定のまま / LEDライト使用 / EF24-70mm F2.8L II USM + コントロールリングマウントアダプター EF-EOS R

 

最短撮影距離と最大撮影倍率の実写

■RF24-70mm F2.8 L IS USM

RF24-70mm F2.8 L IS USM VS EF24-70mm F2.8L II USM
撮影時焦点距離 : 32mm 最短撮影距離 : 0.21m (24mm時)  最大撮影倍率 : 0.3倍 (32mm時)

■EF24-70mm F2.8L II USM

RF24-70mm F2.8 L IS USM VS EF24-70mm F2.8L II USM
撮影時焦点距離 : 70mm 最短撮影距離 : 0.38m 最大撮影倍率 : 0.21倍(70mm時)

「EF24-70mm F2.8L II USM」の最大撮影倍率70mm時0.21倍は、標準ズームレンズとして十分に優秀な数値だ。しかし、32mm時と限定的ではあるが最大撮影倍率が0.3倍という「RF24-70mm F2.8 L IS USM」と比較すると、平凡にみえてしまうのは仕方のないことだろう。

最大撮影倍率0.3倍の「RF24-70mm F2.8 L IS USM」が優秀すぎる

「EF24-70mm F2.8L II USM」の最短撮影距離は0.38m、最大撮影倍率0.21倍 (70mm時) というスペックは標準ズームレンズとしては標準的なレベルである。最大撮影倍率が0.2倍を超えるとかなり寄れるレンズという印象なので、一般的には優秀といってよい数値である。

しかし、残念ながら比較相手の「RF24-70mm F2.8 L IS USM」は、焦点距離32mm時に限定されるが最短撮影距離は0.21mで、最大撮影倍率は0.3倍である。最大撮影倍率が0.25倍を超えるとクォーターマクロなどと呼ばれる。マクロレンズの領域といえる近接撮影能力を発揮するのだ。 一部の標準ズームレンズで同じように0.3倍前後の最大撮影倍率のものがある。とはいえ、「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の近接撮影の能力はすばらしい。

 

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3