ニコン NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
スペック
[大きさ] 最大径89×全長220mm [重さ] 約1440g (三脚座を含む) [レンズ構成] 18群21枚 [最短撮影距離] 0.5m (70mm時) [最大撮影倍率] 0.2倍 [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] 77mm参考価格 約319,000円 (税込)
ワイド端では渦を巻いたボケは見られない
ワイド端絞り開放で色づき始めたカエデの紅葉を撮影。緑、黄色、赤とさまざまな色が混在していてキレイだ。口径食はわずかにあるが、ワイド側では絞り開放でもそれほど渦を巻いたようなボケにならない。
テレ端では口径食が大きく、後方が二線ボケ傾向
樹の幹に沿って伸びているツタにピントを合わせ、テレ端開放で撮影。ワイド側よりも口径食は大きめで、周辺のボケがレモンボケになる。また、ピント面前後の微ボケは、後ボケが少し二線ボケ傾向で、被写体の絵柄によってはちょっとうるさいボケになることも。前ボケは自然だ。
後方微ボケの毛並みがややうるさい
多摩動物公園のニホンカモシカ。ピントを合わせた目の周りの細い毛並みが1本1本分離して見えるほど解像している。とてもテレ端開放とは思えないほどシャープだ。ただ、後方の微ボケは硬めなので、角の後ろに見えている毛並みがちょっとうるさくなっているのが惜しい。
軸上色収差による色づきは抑えられている
城ヶ島公園で見かけた野良猫を「ニコン Z 7II」の動物瞳AFで撮影。絞り開放で撮影しているが、瞳に反射した光や前後のヒゲを見ても、軸上色収差によるボケの色づきは皆無。ただ、やはり後方の微ボケがうるさくなりやすく、中途半端なボケ領域にコントラストの高い被写体を入れるのはなるべく避けたいところだ。
カルガモの頭部をダイナミックAFで捉え続ける
紅葉が映り込んだ池を泳ぐカルガモをAF-Cで追い写し。ニコンZシリーズは鳥の瞳AFは未搭載なので、ダイナミックAFで頭の付近を追っているが、頭部の羽根がカリッとシャープに再現されている。水面のさざ波も前ボケ、後ボケともにうるさくならず、主題をうまく引き立ててくれている。
暗めの背景になるタイミングを狙おう
多摩動物公園のサーバルを檻越しに撮影。開放F2.8と明るいので、檻を完全にぼかせるのが強みだが、檻の影響で二線ボケになってしまうので、背景ができるだけ暗くなるポイントを探し、そこに被写体が来るのを待つのがポイントだ。
解像力は高く、高画素機ならクロップでも十分使える
多摩動物公園のダルマワシ。1.4倍のテレコンバーターがほしいところだが、ピクセル等倍でもビシッと解像しているので、開放F値が1段暗くなり、感度を上げて撮影することを考えれば、高画素の「Z 7」「Z 7II」ならトリミングという手も。
鳥の瞳認証はないが、動きはしっかりと追い続けるAF性能
多摩動物公園のオオワシ。背景が黒っぽいこともあり、ピントが背景に抜けることなく、飛んでいるオオワシにピントを合わせ続けることができた。鳥の瞳認識AFは搭載していないのでピントのピークは肩のあたりだが、プリントや全体表示で鑑賞するなら問題なしだ。
細部の解像性能は申し分ない
山中湖湖畔でマガモのオスをテレ端開放で撮影。観光地で人慣れしているものの、大きな動きで驚かさないよう少しずつ近づきながら距離を詰めていった。撮影距離が短いこともあって、マガモの目や顔の羽根の模様が高精細に再現されている。オスならではの緑の構造色も美しい。
口径食は大きく、F5.6~F6.3程度で解消
テレ端絞り開放の口径食をチェック。Fマウントの「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」と同程度か1/3段弱ほど口径食が目立つ感じ。F5.6~F6.3まで絞れば四隅の口径食は解消するが、クッキリした光点ボケでなければF3.5~4まで絞れば、口径食による渦巻き感は軽減する。近接撮影時の周辺画質はかなり向上している。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。