APS-Cサイズミラーレス用として、タムロン初の大口径標準ズーム「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」が登場した。高い描写性能や手ブレ補正、動画撮影にもこだわった、軽量コンパクトで機動力の高い1本だ。
高い光学性能と小型化を両立
タムロンから発売されているソニーEマウントのレンズ群に、初めてAPS-Cフォーマット専用が加わった。25.5〜105mm相当を全域F2.8でカバーする魅力的なスペックだ。
デザインや67mmのフィルター径は既存のフルサイズ対応レンズと同じ。その中の28-75mmや28-200mmとサイズや重量が近く、コンパクトなα6000シリーズに装着してもバランスがよい。
APS-C機でもフルサイズ並みのボケが楽しめる
テレ端の70mm、絞り開放で撮影。手ブレ補正のない機種で撮影したが、VC機構が効いて手ブレは皆無だった。ボケ味は実に美しく、スナップだけでなくネイチャーやポートレートにも威力を発揮しそうだ。
大きすぎず小さすぎず、ほどよいサイズ感
サイズ的には350ml缶がほんの少し太くなった程度。付けっぱなしで持ち歩くのも苦にならない。ホールディング性も良好だ。
ズーミングによる伸びも気にならないレベル
テレ端の70mmまでズームしても、全長が極端に伸びることはない。花形フードが付属する。
非球面と特殊硝材で光学性能を追求
レンズ構成は12群16枚。ガラスモールド非球面レンズと異常低分散レンズを各2枚、複合非球面レンズを1枚使用し、高い解像性能を追求している。
タムロンらしさが詰まった1本
カメラ側の瞳AFやファストハイブリッドAFにも対応するほか、定評のあるVC (手ブレ補正) 機構も搭載。α6000シリーズはボディ内手ブレ補正が非搭載の機種もあるので、この点は魅力だ。またタムロン製品らしく、最短撮影距離はワイド端で19cm、テレ端でも39cmと寄れるのも特徴。ボケ味も単焦点レンズ並みに美しく、お買い得度の高い1本だと思う。
ズーム全域でしっかりと寄れる
ワイド端17mmのほぼ最短撮影距離で撮影。絞り開放だがピントが合った部分はカリッと描写。前ボケ、後ボケとも自然で、ワイドマクロとして十分楽しめる。
TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD 主な仕様
発売日 2021年1月14日
希望小売価格 98,000円 (税別)
モデル名 B070
マウント ソニーEマウント
焦点距離 17〜70mm (35mm換算 25.5〜105mm相当)
開放絞り F2.8
最小絞り F22
レンズ構成 12群16枚
画角 (対角) 79゜55′〜23゜00′ (APS-Cミラーレスカメラ装着時)
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.19m (ワイド端)
最大撮影倍率 0.21倍 (ワイド端)
フィルター径 φ67mm
サイズ (最大径×長さ) φ74.6×119.3mm
質量 525g
付属品 花型フード HA036、レンズキャップ
〈写真・解説〉鹿野貴司