機材レポート

無表情が笑顔に、モノクロがカラーになる! 大進化したPhotoshopとLightroomを使ってみた

AIによる自動加工能力がパワーアップした「Adobe Photoshop」

ニューラルフィルターで高度な画像加工や編集をより簡単に

「Adobe Photoshop (アドビ フォトショップ)」も最新版になった。バージョン22.0の特徴はAIによる加工能力が大きくアップしたこと。そのひとつが「ニューラルフィルター」。クラウドで動作するフィルターだ。まだベータ版ではあるが、誰でも使用できる。

「スマートポートレイト」で表情が変わる

ここではポートレートの写真を表示し、「スマートポートレイト」を選択した。なんと元画像から、笑顔や驚き、怒りの表情をはじめ、視線や髪の量、顔の向きなどが調整できる。スライダーを動かすだけで微笑んでいる表情になり、目線まで移動できるのは驚き。ただしスライダーをあまりに大きく動かすと、さすがに不自然になってしまう。“もう少し笑顔がほしい”“わずかに顔の向きを変えたい”など微調整として使うのがオススメだ。

Adobe Photoshop
「スマートポートレイト」パネル。Photoshopが顔を認識すると、認識部分がパネル上に表示される。調整項目は「表情」が笑顔、驚き、怒りの3種類、「被写体」は年齢、視線、髪の量、顔の向き、照明の向き、5種類だ。

Adobe Photoshop

矢印

Adobe Photoshop
なんと顔の表情をあとから変えることができる。上は元画像。カメラ目線で笑顔もない。「笑顔」のスライダーを右に動かし、微笑みを作る。そして「視線」もスライダーで向かって右に動かした。まるで別カットのような自然な仕上がりだ。変化した部分は新規や現在のレイヤーなどに選んで出力できる。

モノクロをAIが自動でカラー化

また、ニューラルフィルターの「カラー化」はモノクロ写真をカラーにできる機能。AIが被写体を判断し、空や木々の緑などの色が再現される。昔に撮影されたモノクロ写真を、カラーにして見てみたいときなどに便利だ。空、木、水の再現はかなり優秀だが、赤系の色はまだ苦手のようだ。さらなるAIの進化に期待だ。

Adobe Photoshop
「カラー化」パネル。基本操作はニューラルフィルターパネルの「カラー化」をオンにするだけ。AIが自動で色を作ってくれる。「シーン」スライダーで色調調整も可能。また「カラー」で判断できなかった部分に色を付けることもできる。

Adobe Photoshop

矢印

Adobe Photoshop
操作は「カラー化」をオンにするだけと簡単。空と水面、木々の色が見事に再現された。特に空と水面のグラデーションは自然。しかしボートを漕ぐ人の服や花壇の花の色は再現できず、モノクロのまま。まだベータ版なので、今後いっそう進化するだろう。

空を自由に置き換え

ニューラルフィルター以外では、「編集」から「空の置き換え」で空の様子を変更できる。例えば曇り空でも青空に、昼間に撮影しても夕暮れの雰囲気が再現できる。用意されている空は25種類。AIが空をしっかり認識し、劇的に変化する。自然な雰囲気に仕上げてもいいが、クリエイティブ感が溢れる表現も楽しんでみたい。

Adobe Photoshop

矢印

Adobe Photoshop
「編集」メニューから「空を置き換え」を選ぶと、PhotoshopのAIが画面内の空を判断。空が変わると同時に、前景の色も空と合うように変化する。またパネルのスライダーで、空と前景との境の調整や、色調、空の大きさなども調整できる。

 

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