借用した『パナソニック LUMIX DMC-GM1』と、自前の『パナソニック LUMIX DMC-LX7』。
「GM」と「LX7」をこうやって並べると…いやぁ〜、GMの小ささが際立ちますナァ。これで「4/3型センサー」を搭載しているのだから恐れ入る。
先日、メーカーから借用した『パナソニック LUMIX GM』での実写レポート(熱海へのプチ旅)をお伝えした。…でもって、その後にふと思ったことがある。
「GMは「4/3型センサー機」だからボケ効果が期待できるけど、センサーサイズでは負ける「1/1.7型センサー機」のLX7もレンズは抜群に明るいから、ボケ効果対決でイイ勝負するんじゃないの?」
…と。
そういうワケで、同梱レンズの「LUMIX G VARIO 12-32ミリF3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.」を装着した『パナソニック LUMIX DMC-GM1』と、自前の『パナソニック LUMIX DMC-LX7』とで、ボケ効果の違いを比べてみることにした(画角を揃えたうえで、絞り開放で撮影して)。
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LUMIX DMC-GM1(64ミリ相当・開放F5.6)
◆パナソニック LUMIX DMC-GM1 LUMIX G VARIO 12-32ミリF3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S. 絞り優先オート F5.6 1/160秒 +0.3補正 WBオート ISO200 4592×3448ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
LUMIX DMC-LX7(64ミリ相当に近づける・開放F2.0)
◆パナソニック LUMIX DMC-LX7 絞り優先オート F2.0 1/500秒 +0.3補正 WBオート ISO80 3648×2736ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
まず、LUMIX G VARIO 12-32ミリF3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.の望遠端に合わせて、35ミリ判換算で「64ミリ相当」の画角で、1m半くらい離れた植え込みの枝を撮影してみる。
当然、LUMIX G VARIO 12-32ミリF3.5-5.6は、64ミリ相当で開放「F5.6」。そして、90ミリ相当の望遠端で開放「F2.3」のLX7のズームレンズだと、64ミリ相当(ステップズームにもない画角なので厳密な調節はできないが)にすると開放は「F2.0」になった。お〜っ、12-32ミリF3.5-5.6との差は”3絞り”か。この差はデカイよね。…その結果、LX7の方がより大きなボケ効果を得ることができた。
ちなみに、ボケ効果とは関係ないが、同じ画質設定で撮影しても、GMの方がより色鮮やかな描写が得られた。…ただ、全体の色調の関係もあるかもしれないが、緑色に関してはLX7の方が鮮やかに感じられるんだよなぁ。
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LUMIX DMC-GM1(24ミリ相当・開放F3.5)
◆パナソニック LUMIX DMC-GM1 LUMIX G VARIO 12-32ミリF3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S. 絞り優先オート F3.5 1/1000秒 +0.3補正 WBオート ISO200 4592×3448ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
LUMIX DMC-LX7(24ミリ相当・開放F1.4)
◆パナソニック LUMIX DMC-LX7 絞り優先オート F1.4 1/200秒 +0.3補正 WBオート ISO80 3648×2736ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 内蔵NDフィルター使用 三脚
次は、35ミリ判換算で「24ミリ相当」の広角の画角。これはどちらも(12-32ミリF3.5-5.6もLX7も)広角端の画角なので設定が楽である。…で、12-32ミリは開放「F3.5」で、LX7が開放「F1.4」。その差は”2絞りと2/3″。64ミリ相当よりも差はわずかに小さくなるが、それでも大きな差だよね。…実写結果は、けっこうイイ勝負だが、ここではGM(というか、レンズの12-32ミリF3.5-5.6)のボケ効果の方がわずかに大きいようだ。
なお、この撮影では12-32ミリF3.5-5.6の最短撮影距離(撮像面から0.2m)に合わせて撮影しているが、LX7はAFマクロで”レンズ先端から1cm”まで接近できる。…なので、大胆なクローズアップと大きなボケ効果を得ることができる(まあ、絵柄は大きく変わってくるけどね)。
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LUMIX DMC-GM1(ISO3200)
◆パナソニック LUMIX DMC-GM1 LUMIX G VARIO 12-32ミリF3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S. 25ミリ(50ミリ相当)で撮影 絞り優先オート F8 1/160秒 WB晴天 ISO3200 4592×3448ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
LUMIX DMC-LX7(ISO3200)
◆パナソニック LUMIX DMC-LX7 50ミリ相当で撮影 絞り優先オート F4 1/640秒 WB晴天 ISO3200 3648×2736ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
最後は、高感度画質対決である。GMもLX7も最高で「ISO12800」まで感度を上げられるが、さすがにその値での画質はキビシイだろう(特にセンサーが小さいLX7は)。ということで、現在のデジタルカメラでの実用的な高感度域…とボクが考える「ISO3200」時の画質を比較してみた。
あ、完敗を予想していたLX7が意外と善戦ですわ(笑)。もちろん、GMとLX7の画質差は歴然としているのだが、その差は予想ほどは大きくない…そういう印象を受けた。
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一般的なコンデジ並の小型軽量なボディに大型センサーを搭載するミラーレス一眼の「GM」と、センサーは大きくないが抜群に明るいズームレンズを搭載するコンデジの「LX7」。どちらも、気軽にボケを生かした撮影が楽しめるワケだが、この”気軽に”という部分にこだわらなければ…つまり、GMボディに”大口径レンズ”を装着すれば、もっと大きなボケ効果を得ることができる。たとえば、高性能な大口径標準ズームの「LUMIX G X VARIO 12-35ミリF2.8 ASPH./POWER O.I.S.」とかね。あと、パンケーキタイプの大口径単焦点の「LUMIX G 20ミリF1.7II ASPH.」などは、小型軽量なGMボディとのマッチングも良さそう。…と、いろいろレンズとの組み合わせを考えたくなる『パナソニック LUMIX GM』である。