“F5ジュニア”のキャッチフレーズが付けられた「F100」を彷彿とさせるボディサイズに、当時のフラッグシップモデル「F5」のエッセンスを加えたような『ニコン F6』。装着レンズは、自前の「AF-Sニッコール16-35ミリF4G ED VR」。
先日、フルサイズカメラ企画の一環として、フィルム一眼レフの『ニコン F6』を使用する機会があった。いやぁ〜、久しぶりだわ、このカメラを使うのも(たしか以前も、何かの企画の一環で使用したと思う)。…で、久しぶりのF6の印象は「ボディが横に長い!」、「背面表示パネルが小さくて見づらい!」、そして「ボディの重みと剛性感がハンパない!!」というもの。
まあ、フィルム一眼レフの多くは横長ボディなんだけど、このF6ボディの幅「約157mm」は、超弩級モデル「D4」の「約160mm」に迫る数値なんだよね。それで高さはD4よりも37.5mmも低いわけだから(F6の高さは約119mm)、そりゃあ横長ボディに感じるわな。ちなみに、フィルム一眼レフ風の外観が特徴的な「Df」の幅は「約143.5mm」で、それよりも大柄なD800でさえ「約146mm」で、今回のF6よりも10mm以上短いんだよね。
ミノルタα-7ほどじゃなくても、もう少し大きくてもイイと思った「背面表示パネル」。その下の操作ボタンを隠すフタがフラッグシップモデルっぽい。
そんなF6ボディは、前モデル「F5」時代の弟分にあたる「F100」に近いフォルムであり(F5と違ってファインダーが固定式なのも一緒)、レリーズ時の感触も含めて、操作フィーリングもF100に近いように思う。…でも、久しぶりにF6ボディを手にすると、その重みに驚いてしまう。ボディのみ「約975g」という数値は、F100よりも190gも重く(F100も重みを感じるカメラだったが)、前出のDfより275g、D800よりも75gも重いのである。
しかも、手にした際の”剛性感”が非常に高く感じられる。ボディ素材に使用されているマグネシウム合金などは、現在のミドルクラス以上のデジタル一眼レフと変わらないハズだが、不思議と”強固さ”を感じるのよ。まあ、ボディの重さがそう感じさせるのかもしれないけど…。
個人的には、このF6よりもF5の方に”モノとしての魅力”を感じるが、AFやAEなどの性能や仕様では、さすがに後発のF6の方が勝っている。もちろん、最新のデジタル一眼レフと比べると「古いな」と感じる部分も少なくないが(フィルムとデジタルの共通部分において)、こういう”最高峰フィルム一眼レフ”が今でも現行品としてラインナップされているのは、フィルム一眼レフで写真の面白さを知った者としては素直に嬉しく思う。
F6ボディにレンズを2、3本。リバーサルフィルムを10本程度…。そんな軽装備で、ふらりと日帰りの”小さな旅”に出かけるのも楽しそう。