タムロン 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD
絞りF7.1で手前から奥までシャープに描写
富士芝桜まつり会場にて。ピンクの芝桜の絨毯に白い芝桜でハートが描かれていたので、手前から奥の富士山までパンフォーカス的な描写を狙ってみた。ワイド端でF7.1まで絞っているが、被写界深度はフルサイズのF11相当なので、ごく近景以外はしっかりピントが合って見える。
ワイド端で手前にピントを合わせ成り行きでぼかして撮影
信州・小布施の千曲川ふれあい公園桜堤。トンネルのように八重桜並木が約4km続く名所だ。中望遠で圧縮効果を出して撮影するのが定番だが、せっかくの青空だったので、ワイド端で手前の花にピントを合わせ、後ろは成り行きでぼかしてみた。
F5.6で撮ると周辺まで高い解像性能を維持
山梨県北杜市のハイジの村 (山梨県立フラワーセンター)。ズーム中域で園内の建物と遠方に見える八ヶ岳を切り取ってみた。開放から2段絞ってF5.6で撮影しているが、周辺までキリキリに解像していて、高い解像での均一性はフルサイズを超える。
解像性能が高いぶんボケ味はやや硬め
長野県佐久市の新海三社神社の駐車場脇に並ぶ石像。夕方の斜光線が当たってフォトジェニックだったので、絞り開放で前後をぼかし、奥行き感を演出してみた。解像性能が非常に高いぶん、前後のボケは少し硬めで、少し縁取り感もあるが、高解像レンズとしてはナチュラルなボケ味だ。
テレ端近接時は縁取りもなく理想的なボケ味
ズームテレ端開放で近接撮影。中遠景に比べると至近距離では絞り開放で少しだけにじみというかハロっぽさが出てくるが、解像はしっかりしていて葉脈の細い線もクッキリと再現。木漏れ日の後ボケも縁取り感はなく、理想的に美しいボケ味だ。
背後のマーガレットのボケ味が好印象
買い物に行く途中、花壇に植えられていたマーガレットを真俯瞰で撮影。絞り開放では被写界深度が浅すぎるので、F4.5まで絞って撮影しているが、被写界深度外の後方のマーガレットが非常に自然にぼけているのが好印象。軸上色収差によるボケの色づきも非常に軽微だ。
ゴーストは発生するが、破綻のない範囲
新海三社神社の林。夕陽が非常に明るく、普通に撮影したのでは、地面がほぼ黒つぶれしてしまうほどの強烈な逆光。そこをDRO Lv5でシャドー部を強引に持ち上げ、小絞りボケ覚悟で思い切り絞り込んで光条をキラリンと伸ばしてみた。ゴーストはそれなりに出るが、描写を破綻させるほどではない。
絞り開放から安心して使える描写性能
通常なら開放から2~3段絞って撮影するシーンだが、開放画質をチェックするため、あえて絞り開放で撮影。大木の葉っぱの1枚1枚が分離して見えるほど、キレの良い描写で、周辺部の画質の乱れもほぼ感じない。周辺画質も極めて高く、安心して絞り開放から使えるレンズだ。
ワイド端近接時も極めて自然なボケ味
垂れ下がった八重桜にピントを合わせ、ワイド端絞り開放で撮影。APS-Cクロップなので、同じ画角で同じF値、同じ撮影ポジションでは、フルサイズよりもボケは小さくなるが、Photoshopでガウスぼかしをかけたような、まったくクセがなく、広角としては驚くほど自然なボケ味だ。
これほど自然にぼけるレンズは希有な存在
自分へのご褒美として月イチの贅沢、蔵前のグルメバーガー店へ。大半のレンズはボケが幾重にも重なったり、軸上色収差でボケの縁取りが盛大に色づいてしまうケースだが、パティの肉汁に反射した光がこれほど自然にぼけるレンズは希少だ。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。