絞りやピント合わせが必要ないシンプルなフィルムカメラ「SPRITE 35-II」がイルフォードから登場。1960年代に発売された「SPRITE 35」のDNAを受け継ぎ、フィルムカメラで遊ぶ楽しさが味わえる。
フィルムカメラで気ままにスナップ!
イルフォードからプラスチック製のフィルムカメラが登場した。名前に「II」が付くように、1964年に発売されたプラスチック製の安価なカメラ「SPRITE (スプライト) 35」の二代目となる。
周辺が流れるレトロな描写が心地いい
ボートに当たる強い光がカメラ内で反射したのか、水面に不思議なムラができた。それもこのカメラの味と言える。画面中央部はシャープだが、周辺は大きく流れるのが特徴だ。
レンズ付きフィルム感覚の手軽さ
シルバーモデルは実際に見ると、青みがかったグレーに近い。操作はフィルムを装填したら巻き上げてシャッターボタンを押すだけ。レンズは31mmの1枚構成。絞りF9、シャッター1/120秒固定で、まるでフィルム交換できるレンズ付きフィルムのようだ。
フィルム装填は初めてでもカンタン
左側面のレバーを下げて裏蓋を開け、フィルムを装填する。フィルムはスプールの突起にパーフォレーションが噛めば巻き上がる。初めてフィルムカメラを扱う人にも簡単だ。
フィルムの巻き戻し操作が懐かしい
底部にはフラッシュ用のバッテリー室と巻き戻しボタンを持つ。電池は単4形を1本使用する。巻き戻しボタンはフィルムを巻き戻すときに押す。懐かしいと感じる人も多いだろう。
ピントや露出は気にせず感じたままを写し取る
今回、フィルムは「イルフォード XP2 スーパー」を使用した。画面中心は1枚レンズとは思えないほど解像力が高いが、周辺は流れる。しかしそれが面白い。露出もフィルムのラチチュードに依存する。きっちり撮ろうとせず、気持ちの赴くままにシャッターを切る自由さが味わえるカメラだ。
町中で心が動いた光景を逃さず捉える
植木の葉と壁に光が当たっている光景を見つけてとっさに撮った。「SPRITE 35-II」は構図を決めてシャッターを切るだけ。ピントも露出も考えないので、解放感に浸れるカメラだ。
フラッシュを内蔵し室内撮影も楽しめる
操作部は極めて少ないが、フラッシュを内蔵。電池を入れてフラッシュレバーをスライドさせ、チャージが完了すると上面のランプが点灯。シャッターを切ると同時に発光する。
ILFORD SPRITE 35-II
発売日 2021年4月15日
参考価格 4,620円 (税込)
カラー シルバー、ブラック
光学レンズ 31mm F9 (1枚構成)
撮影距離 1m~無限遠 (晴天屋外)、1~3m (フラッシュ使用時)
シャッタースピード 1/120秒固定
ファインダー視野率 約70%
バッテリー 単4形アルカリ乾電池1本 (フラッシュ用)
フィルムフォーマット 135フィルム (ISO 400 / 800推奨)
素材 ABS樹脂 (カメラボディ)
大きさ W119×H67×D44mm
重量 122g
付属品 リストストラップ