機材レポート

手持ち撮影ができる150mmからの超望遠ズームレンズ2本を撮り比べ! 描写力は? AF性能は?

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
スペック
[マウント] ソニーEマウント、Lマウント [最大径×長さ] Eマウント φ109.4×265.6mm、Lマウント φ109.4×263.6mm [重さ] 2100g (三脚座を含む) [レンズ構成] 15群25枚 [最短撮影距離] ワイド時 0.58m、テレ時2.8m [最大撮影倍率] 0.34倍 (180mm時) [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] φ95mm
参考価格 約176,000円 (税込)

ピントが合った部分は高い解像性能

多摩動物公園のチーター。チーターの放牧場は広いので、チーターが手前に来たときがシャッターチャンス。フルサイズ400mm前後の画角でここまでアップで撮影できる。胴体はわずかに被写界深度外で毛並みは潰れがちだが、ピントを合わせた顔は細い毛までしっかり解像している。

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 作例
ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート 1/1600秒 F6.3 +1補正 ISO3200 WB : オート 395mm域
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逆光気味でもコントラストの低下は少なめ

多摩動物公園のチーターの子ども。トップライト気味のド逆光なので、思い切ったプラスの露出補正で撮影しているが、逆光気味でもコントラストの低下は少なく、600mmで撮影倍率も高く撮影距離も短めなので、想像以上にチーターの顔がクッキリ再現されている。

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 作例
ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート 1/800秒 F6.3 +2補正 ISO3200 WB : 太陽光 600mm域
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総合的には自然で柔らかなボケ味

後方の芝の反射にわずかに二線ボケが出ている領域があるが、ボケの輪郭は必要以上に強調されていないため、総合的には自然で柔らかなボケ味だ。テレ端では少しにじみを感じるケースもあるが、撮影距離がそれほど離れていなければ超望遠ズームの600mm絞り開放としてはシャープな描写だ。

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 作例
ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート F6.3 1/1000秒 +1.0補正 ISO640 WB : 太陽光 600mm域
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後ボケを拡大
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しっかりピントが合わせられれば高い解像が得られる

野鳥撮影には600mmでもまだまだ望遠不足に感じるケースは多いが、空気の揺らぎの影響が少なく、ピントのピークでしっかりピントを合わせられれば、大トリミングしても解像感は高い。「α7R IV」など高画素機ならAPS-Cクロップで撮影するのも手だ。

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ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート 1/2000秒 F6.3 +0.3補正 ISO640 WB : 太陽光 600mm域
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約10mの好条件なら高感度時の再現力も高い

近くの川でカワセミを撮影。日没まであと1時間くらいで日が陰る状況で、あまり明るくはなかったが、撮影距離は10mちょっとと割と好条件だったので、ISO3200の高感度でも羽根の細部までしっかり再現できている。

シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 作例
ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート 1/500秒 F6.3 +1.3補正 ISO3200 WB : 太陽光 600mm域
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直進ズーム的な操作が可能

このズームはレンズ先端の窪みを左手で掴み、前玉を前後に動かす直進ズーム的操作が行なえるのが特徴だ。このように向かってくる被写体もレンズ先端を支えながらズームできるので、安定したホールディングで撮影でき、ズームリングの回転方向で迷う心配もない。手すりの反射にパープルフリンジも認められない。

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ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート 1/2000秒  F6.3 ISO500 WB : 太陽光 498mm域
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陽炎を生かして夏らしい演出で飛行機を狙う

期待していたよりも積乱雲が発達しなかったので、積乱雲と飛行機が絡む場所を探して撮影。ただ、高度が低く、撮影距離も長くなり、おまけに、熱せられた道路から立ち上る陽炎など、空気の揺らぎの影響が大きく、飛行機もメラメラな描写だが、逆にそれが夏の暑さを演出している。

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ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート 1/2000秒 F6.3 ISO200 WB : 太陽光 369mm域
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機体番号もしっかり読める

パラリンピック2020開催を記念するブルーインパルスの展示飛行を、ステイホームを守って自宅 (調布) から撮影。時間調整と最終確認で5回くらい旋回してくれたが、スモークを出したのは1回目と3回目で、これは3回目。デルタ隊形で1番機だけスモークを出すというある意味レアな写真に。あいにくの曇り空だが機体の番号もしっかり読める。

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ソニー α1 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports シャッター優先オート 1/2000秒 F6.3 +1.7補正 ISO640 WB : 太陽光 600mm域 Photoshopでかすみの除去を適用
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※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。

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