落ち着いたシルバーボディに、グレーのパーツを配したグリップ…。正直、ボディの質感にはさほど期待していなかった。
キヤノンパワーショットのG7とA710IS、この2機種のどちらを買おうか? と、いろいろ悩んだワケだが、結局『A710IS』を購入した。G7の風格や本格的感よりも、A710ISの気軽さの方に、より魅力を感じたってワケですわ。いや、G7も魅力的だと思うよ。実写レポートでガンガン撮って、とても快適だったし。でも、なまじ“本格的な機種”だけに、従来のGシリーズにはあったRAWモードが省略された点や、広角側の画角が「35ミリ相当どまり」という点が、ちょっと引っかかるんだよねぇ、個人的に。
マクロモードに切り換えると、広角側だと1cmまで寄ることができる。だから、こ〜んな写真も楽に撮れちゃう。でも、そんなに寄ると、画面内にカメラ自身の影が写ったりするけど。
名刺サイズでも薄型モデルでもないけど、携帯性はそんなに悪くないデース! ただし、グリップ部とレンズ部は、少し出っ張るけどね。
A710ISは、G7ほど風格や質感にこだわった機種じゃない。でも、カメラ量販店で初めて現物を見て&触って感心しちゃった。ボディの色とか表面の処理などが、予想以上に上質だったから。特に、グリップ部あたりを見ると「丁寧に作られてるなぁ〜」と、しみじみ感じるね。2.5型の液晶モニターは、画素数は平凡だけど、十分に明るくて色や階調にメリハリがあるので、見ていて気持ちイイ。そう、いくら画素数の多い液晶モニターでも、ドヨ〜ンとした見え具合(このニュアンス、わかるかなぁ)だと、かなり萎えちゃうからね。
よく晴れた日に、家族で動物園に出かけてみた。柵のはるか向こうにいた2羽のペリカン。210ミリ相当の望遠域なら、ドーンとここまで大きく撮れる。
主に使用する電池は、充電式のニッケル水素電池。そして、緊急時(予想以上撮影した時など)には、コンビニ等で入手できるアルカリ電池。アルカリ電池でも「持ち」がイイのが、このカメラの優れたところ。
実際に使って感じるのは、やっぱり「望遠側が充実してるなぁ」ということ。光学6倍ズームで210ミリ相当までカバー! これは光学3〜4倍で「望遠側が100ミリ強相当」の一般的なモデルとは、あきらかに望遠効果が違う。でもって、ブレ補正機構の効きもかなり強力!! それでいて、10倍クラスの高倍率ズーム機ほどかさ張らないので、3〜4倍ズーム機と変わらない扱いができる。描写性能もなかなか優秀。特に広角側はかなり優秀。望遠側は少しコントラストが低下するけど、それでも及第点は確保してると思う。それと、電源は「単3形電池が2本」だけど、これがかなり持続力あるんだわ。はい、ココに別のカメラでバッテリー警告が出た単3形アルカリ電池が2本あります。この電池をA710ISに入れるすると…あら、不思議? バッテリー警告が出ないうえに、なんと150枚以上も撮れちゃった!
ウチの子に初めてゾウを見せる。…つもりだったのに、近くに置いてあった洋風バスの方に夢中。まあ、子供の興味ってそういうモンかも(苦笑)。
素早い起動、AF測距点9点、サクサクとデータ書き込み! 基本的にレスポンスの良いカメラなので、動きまわる子供の表情を追うのにも適している。
デザインや機能は目を引くけど、写りはけっこうボロボロ…。オート機能は充実してるけど、マニュアル機能はなかったり使いにくかったり…。そんな“内容より体裁を重視した機種”が少なくない昨今。このパワーショットA710ISは、掛値ナシに「内容が充実した実用性の高い機種」と言えるだろうね。