ソニー E 35mm F1.8 OSS
大きなボケ表現が楽しめる
換算52mm相当のAPS-C専用標準レンズで、レンズ内手ブレ補正を搭載しているのが特徴。開放F値もF1.8と明るいので、近接撮影時は大きなボケ表現も楽しめる。植え込みには入れず、撮影ポジションが限定されているので、少しでも背が高い個体を主題に、絞り開放で浮かび上がらせてみた。
石仏のディテールをきっちり再現
公園の石仏をアップで撮影。この距離では背景はそれほど大きくぼけてないが、絞り開放でも口径食はそれほど大きくはない。軸上色収差で光点ボケの輪郭に緑が浮いているのも、背景の緑バックに華やかさを添えてくれる。ピントの合った部分はエッジ立った解像ではなく、少し柔らかめだが、細かい部分までしっかり描写できている。
ISO3200にしても猫の毛並みは細い線に再現
横浜関内の猫カフェMiysisにて。保護された仔猫たちが元気いっぱいじゃれ合っているシーンを撮影。店内の奥はあまり明るくないので、絞り開放でも1/200秒でISO3200まで感度が上がってしまう。高感度NRによるディテール低下が心配だったが、ピントを合わせた仔猫の白いヒゲや毛並みがスッキリと細い線で描写されている。
解像とコントラストがしっかりしていてISO6400も使える
同じく横浜関内の猫カフェMiysis。仔猫だけでなく母猫も一緒に保護されてきて、未だに仔猫が甘えてお乳をせがんでくる。感度はISO6400まで上がり、APS-C機としてはあまり使いたくない感度だが、レンズの解像とコントラストがしっかりしていることもあり、母猫の毛並みも高感度NRで溶けずに再現されている。
周辺まで安定している絞ったパンフォーカス的な描写
緊急事態宣言下で不用意に人の集まる場所に撮影に行くのがためらわれたため、自宅付近を散歩しながらスナップ撮影。きれいなお花畑が広がっていることを想定し、絞って撮影したときの描写をチェックしてみた。中遠景ということもあり、意外と被写界深度が深く、ほぼパンフォーカス的な描写で、周辺まで非常に安定した解像が得られている。
鋭い解像で派の質感をクッキリ描写
これも近所を散歩しながらのスナップ。暗めの背景と日光がたっぷり当たっている葉が妙にフォトジェニックだったので、前後の葉にピントが合わせ、背景が適度にぼけるようわずかに絞って撮影。ピクセル等倍で見てもエッジ立つほど鋭い解像で、葉の質感がよく再現されている。
発売年の古いレンズだがボケの色づきは少ない
これはスーパーの駐車場脇のカート置き場。光が当たっているメタリックな被写体を撮影すると、軸上色収差やパープルフリンジの有無が一発でわかる。軸上色収差によるボケの色づきはわずかにあるが、発売年月が古いレンズとしてはごく少なめ。ただ、光点ボケに同心円の模様がちょっと浮いている。
前後のボケは後ボケのほうが柔らかい
路傍に植わっていたコムラサキ。もう少し寄って撮影したかったが、最短撮影距離は30cmなのでこれが精一杯。前ボケよりも後ボケが柔らかなレンズだが、コントラストの高い輪郭が少ないこともあり、前後とも柔らかくぼけてくれている。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。